築150年の京町家。曾祖母の代から住み継ぐ思い出深い家を二世帯住宅にすることに。35年前に1階を少しリフォームしただけという建物は、狭い和室が並ぶ間取りで暮らしにくく、「夏は風が通らなくて暑いし、冬は寒くてしもやけができるほどでした」。骨組みの状態に解体し、構造補強や断熱施工を行って耐震性や快適さをアップ。立派な丸太梁を現した2階LDKは開放感に満ちている。収納スペースをたっぷり設け、2階に扉付きの洗濯機置き場を設けるなど、家事ラクにも配慮。3世代が気持ちよく住まえる家になった。
建物タイプ | 一戸建て |
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リフォームの種類 | 複合リフォーム |
家族構成 | 本人+子ども1人+孫2人 |
築年数 | 150年 |
間取り | [ Before ] 5DK → [ After ] 4LDK |
目的 | 間取り変更・スケルトン、デザイン重視、収納力アップ、耐震補強、家の老朽化 |
リフォーム箇所 | リビングダイニング、キッチン、玄関、廊下、階段、洋室、浴室、洗面室、トイレ、デッキ、外壁、屋根 |
新しくした設備 | キッチン/トクラス、サンワカンパニー 洗面/サンワカンパニー トイレ/TOTO 浴室/TOTO 玄関・廊下床/無垢ヨーロピアンオーク・ナイフカット LDK床/無垢マツ |
費用 | 2085万円 |
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費用概算 |
仮設・解体工事: 1,350,000円 木工事・左官工事: 10,500,000円 断熱・防火・耐震工事: 2,000,000円 設備機器・内装工事: 6,000,000円 屋根工事: 500,000円 照明器具: 300,000円 造園工事: 200,000円 |
工期 | 5ヶ月 |
リフォーム面積 | 120.00平米 |
表示されている価格帯および本体価格は施工当時のもので、現在の価格とは異なる場合があります。
古民家の再生に慣れている会社なら安心だと思ってお願いしました。プランはほとんどお任せだったので、完成した家を見たときは「こんなに変わるんだ!」とびっくり。2階の梁を見たときは感動し、古い土壁を床下に再利用したと聞いてまた感激しました。思い出深い家で快適に暮らせてほんとによかったと思っています。
細長い京町家で、狭い部屋に仕切られており、天井も低く、暗くて圧迫感がありました。断熱材も入っておらず、すきま風が入るので冬は寒く、夏は暑い家でした。150年の歴史を持つ貴重な建物なので、暮らしやすく快適にリノベーションをし、これからも住み継いでいただけるように考えました。
明るい2階を家族の集うLDKに。京町家ならではの構造に合わせてしっかり耐震補強し、広々開放的な空間にしました。天井を撤去したら現れた梁を濃茶色に塗装。趣のあるアクセントにしながら、全体はすっきりモダンにまとめています。断熱材を施工し、窓も気密・断熱性の高いサッシに変えたので、四季を通じて快適に暮らしていただけるようになりました。さらに1階は将来、賃貸として収益を得ることも視野に入れてプランしています。
一級建築士/畑 尚樹
骨組みだけのスケルトンにし、暮らしに合わせて間取りを構築。構造を補強しながら、細切れだった間取りを開放的に一新しています。大黒柱は残しながら、空間の邪魔にならないようにデザインしました。断熱材もしっかり入れたので、「エアコンを少し使うだけで夏は涼しく、冬も驚くほど暖かいです」。
一枚板のカウンターやナイフカットした無垢の床材など、風合い豊かな素材を採用し、梁を見せた古民家ならではの空間に調和させました。あくまでもシンプルに仕上げて、飽きのこないデザインに。家具や照明器具も同社のアドバイスにより、センスが良くてリーズナブルなものを選んでいます。
デッドスペースを見逃さず、収納に活用。限られたスペースながら、すっきり暮らせるプランです。2階に設けた洗濯機置き場も家事ラクを叶えるアイデア。キッチンに近くて家事の同時進行がしやすく、バルコニーで干す動線もスムーズ。扉を閉めれば洗濯グッズも見えず、生活感が隠せます。
強度を保ちながら間仕切りを撤去し、2階を明るく広々したLDKに。天井板も撤去したのでより開放的で、古い丸太の梁が趣を醸し出している。階段との間仕切りにはガラスをはめ込んで広がり感を演出。柱を見せない大壁仕上げにし、大黒柱もうまく隠してすっきりとモダンな空間に仕上げた。無垢のマツ材を張った床は、「夏はサラサラ、冬も冷えずに心地いいです」
キッチンのカウンターは材木店で選んだ無垢の耳付き一枚板。力強い木目や節が味わいを出している。食事時間がバラバラになりがちなライフスタイルに合わせて、ダイニングテーブルは置かずにカウンターを食卓に。「孫たちとカウンター越しに会話ができて楽しいですよ」とIさん
リビングにつながるバルコニーは腰壁で外からの視線をカットし、デッキ材を敷いて部屋の延長として活用。アウトドア用の防水仕様のソファを置き、「借景の緑や空を眺めてくつろぐ時間は最高です」
踏み板と蹴込みが壁から突き出したような木製の片持ち階段。圧迫感がなく、美しいデザインが空間のアクセントになるが、施工には高い技術が必要だ。壁の中にしっかり補強を施し、安全性と昇降しやすさを備えて実現した
奥行きの長い町家の特徴を生かし、玄関に続く廊下にたっぷり収納できるシューズボックスを造り付けた。床はナイフカットを施した無垢のヨーロピアンオーク材。凹凸のある表面の足触りが心地よく、来客を新鮮な驚きで迎える
室内から横長の窓ガラス越しに続く板張りの軒天が印象的な外観。玄関前のガラスブロックとともに、白壁のシンプルな外観に洗練された温もりを添える。屋根は補修の必要な部分だけ手を加えて瓦はそのまま使い、コストを抑えた
会社名 |
一級建築士事務所 洛斗コーポレーション(株式会社洛斗コーポレーション)
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