グランドメゾン国立富士見通り （取材レポート）

JR中央線沿線各駅が住みたい街としての人気が高いのは周知の通りだろう。まず第一に新宿駅や東京駅へのダイレクトアクセスが大きな魅力。そして武蔵野台地という比較的安定した地盤を持つフラットな地形に充実の生活インフラ、暮らしやすさのベースが整っていることも評価の理由だ。その沿線各駅の中でも国立は「文教都市」として夙に有名で、子どもの教育に熱心な家庭からの支持は大変熱いものがあると言える街だ。しかしその支持の一方で、マンションの開発余地は非常に少ない。市域の大半は駅の南側で、駅周辺やメイン通り沿いを除くと多くが第一種低層住居専用地域に指定されているため、なかなかマンションのようなある程度規模の必要な建物が開発しにくいという事情がある。実際当プロジェクトも、メイン通りのひとつである富士見通り沿いとしては10年ぶり。住まいニーズの高さとは裏腹に、なかなか新規の案件が少ないのが実情だ。その中で、住まいの品質に定評のある積水ハウスの新規分譲。注目が集まるのも当然だろう。

ちょうど桜が見ごろを迎えつつある3月末、国立の街を歩いた。気が付くのが街並みの美しさだ。その美しさには訳がある。さかのぼること100年近く、現在の西武グループの前身企業・箱根土地が開発を手掛けた。相前後して、目白や大泉学園そして軽井沢や箱根の開発も行っていた同社。今につながる邸宅地や人気リゾート地、そのラインナップを見るにつけ宅地開発の確かさは容易に想像できる。関東大震災によって都心部が大きな被害を受けた折柄、現在の一橋大学の誘致を実現。街の中心部に大きな緑とアカデミックな環境を据え、その周りを整然と住宅が取り囲む、ドイツの都市を範とした「学園都市」を目指したのが国立だ。都心の傷ついた街を後にして移り住んだ方たちが、この街に多くの希望を見出したであろうことは想像に難くない。そして現在もその美しさは健在で、むしろ経年の深みを増し、どこか懐かしい、それでいてモダンな印象をも抱かせる。三角屋根の駅舎や街並みを彩る桜並木はもちろん、住人の街への愛着が多くの“国立らしい”モノを現代に伝えてきているのを感じるし、恐らくは今後も続いていくのだろうとも思う。

駅から南西に一直線に伸びる富士見通り。この通りをまっすぐ当地まで駅から徒歩10分の距離。実際に歩いてみると、大きな通りではないがきちんと歩道も整備され、ショップやレストランなどが建ち並ぶメイン通りのひとつであるためか、体感としてはそれほど距離の長さは感じない。また通りから少し中に入ると、第一種低層住居専用地域に指定されているため、ほぼ一戸建て住宅が整然と建ち並ぶ。あくまでも閑静な住宅地といった街並みが広がっている。当地は周囲には低層住宅が多く南側は富士見通りに接しているということもあり、明るく開放的な環境に恵まれた場所と言える。また通りには4つの商店会が共存しているが、国立は東京都初の第二種文教地区（※2）にも指定されており住居系地域以外の商業地域等にも建築制限や用途制限があるため、いわゆる教育上好ましくない施設等が蔓延る恐れも無い。もちろん国立第二小、桐朋中学・高校、都立国立高校など巷で耳にする学校はすべて徒歩圏内に揃っている。