ザ・レーベン札幌大通 MASTERS ONE （取材レポート）

札幌市は、江戸期から掘削された運河の創成川が東西を分ける条里の基線となり、創成川以西が西1丁目から始まる条里を刻んでいる。また、西1丁目にあるさっぽろテレビ塔の位置を起点として東西に大通りが走り、南北の条里の基線となっている。大通りは、防火線の役割を担っている。
JR札幌駅を起点として、大通に至る西5丁目通りは、札幌駅前通といわれ、現在では地下鉄南北線などと地下歩行空間が敷設されている都心の象徴的な通りだ。さらに大通りを貫いて南北に地下鉄と地下街が形成され、商業空間が展開され、南5条以南には歓楽街すすきのがある。
札幌市の都心を象徴する地域である「札幌駅エリア」「大通エリア」「すすきのエリア」という都心の主要エリアと、さらに西20丁目以西に展開する閑静な住宅地といわれる「円山エリア」との中間に位置するのが、本物件が誕生する西18丁目駅エリアだ。
札幌市が作られた当時の中心地は大通以北の北海道道庁所在地付近。大通以南が民間の商業地として作られた。おおむね札幌の行政の中心は西10丁目通り付近までで、西10丁目以西から、住宅地円山エリアの間、つまり、本物件周辺は、教育機関や病院などの公的施設が立ち並ぶ業務地のようなエリアとして形成されてきた。いわば、都心の外縁部、アーバンフリンジといわれるエリアだ。都心と円山公園、北海道神宮が展開する丘陵地との中間にある業務地のようなエリアだった。

上左の地図は、本物件を中心に徒歩5分圏として半径400m圏(1次エリア)、徒歩10分圏の半径800m圏(2次エリア)、徒歩25分圏の半径2キロメートル圏を同心円マップで作成し、データを収集したものだ。この2キロ圏エリア内に網目をかけたのが札幌市の統計区1011エリアで、本物件はこの統計区内にある(地図の中心赤いマークの位置)。
まず、2キロ圏の2000年～2020年までの国勢調査の変化から人口と世帯数の増加率を調べた。人口増加率では、2キロ圏は、2010年が122.3％、2020年が114.5％の増加率。札幌市中央区、北海道よりも増加率が上回っている。世帯数では（グラフ1）、2010年の増加率が2キロ圏よりも札幌市中央区の方がやや上回っているが2020年では札幌市中央区よりも2キロ圏が上回っている。
本物件から半径400m圏(1次エリア)、800m圏(2次エリア)、1.2キロ圏(3次エリア)の3エリアに分けて、2000年、2010年、2020年の国勢調査時のデータを人口、世帯数で確認したのがグラフ2とグラフ3だ。グラフ1で確認した2キロ圏よりもより高い増加率になっていることがわかる。とりわけ400m圏(1次エリア)の人口は最近に向かって大きく増加し、2010年～2020年にかけて約134％の増加を示している。世帯数でも中央区のデータを上回る増加率になっている。このように人口が増加するエリアは、当然ながら住宅需要、さらに街の発展へと連動していくと思われる。