|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
住宅コンサルタント 平賀功一さん 長年の分譲マンション販売歴を生かし、1999年マンション事業のコンサルタントを行う「e住まい探しドットコム」を設立。ネット上で住宅購入を検討中のユーザーに対してカウンセリングを行うほか、住宅セミナー講師や住宅ポータルサイトでのコラム執筆なども行っている |
新築マンションの価格のコスト内訳を分解してみると、「土地代」「建築コスト」「販売経費」「利益」に分けられる(右図参照。割合の数字はあくまでも一例)。こうした計算は、いわば「原価積み上げ法」といい、。土地代や工事費に利益や経費を加えると、いくらの販売価格になるかという単純計算をしたものだ。実際には、同エリア内で過去に販売された分譲マンションの価格を参考にしながら価格を算出する「取引事例比較法」や、家賃相場からどれくらいの家賃収入、つまり利回りを得られるかで分譲価格を考える「収益還元法」なども併用し、マーケティングの手法で価格調整をする。「実際は用地取得前に算出します。例えば土地代をこれくらいと見積もっても、過去事例や周辺の家賃相場から計算した分譲価格と比較すると、利益率が5%くらいにしかならない場合、用地取得を取りやめることもあります」(住宅コンサルタント・平賀さん) |
※都内ファミリー向け中高層マンションの一例 |
コスト内訳のなかで最も物件価格に占めるのが「土地代」。そのため、都心立地であったり駅からの徒歩時間などによって土地代(用地取得費)が大きく変わることで、当然、分譲価格も変わってくる。「新築分譲マンションなら、駅から徒歩15分以内でないとなかなか売れないというのが“業界の常識”。今や徒歩10分以内であっても、必ずしもプラス材料にはなりません」と平賀さん。つまり、マンションと駅距離には“それだけ”密接な関係があるということだ。 |
||||
|
土地代に続き、今度は建築コストを分解してみると、コストの高い順に、内装や外装といった「仕上げ材費用」、電気や給排水設備など「設備費用」と続く。「実は、コンクリートや鉄筋など目に見えない躯体部分よりも、目に見える仕上げ部分の工事費は高くなります。外観を例に取れば、吹き付け塗装よりもタイル貼りのほうがコストがかかり、高級マンションのほとんどはタイル貼りであることから、そのコストをかけた分が分譲価格に転嫁されているという仕組みです。内装や設備も同様。グレードの差は、床や建具の材質、設備の差といえるでしょう」(平賀さん) |
※都内ファミリー向け中高層マンションの一例 |
「豪華な共用施設がなければ、1戸当たりの建築コストが最も安いのは、ズバリ、100世帯程度の中規模マンションでしょう。管理費同様、スケールメリットがあるので1戸当たりの負担が安くすむからです」と平賀さん。静かな住宅街に建つ低層マンションは世帯数が少ないためどうしても1戸当たりの負担は多くなるし、大規模でもタワーマンションの場合は、耐震性を上げる構造や高速エレベーター、防災・防火設備など、全体の建築コストもふくらむからだ。 |
![]() |
公示価格の上昇など、「バブルの再来か?」といったニュースが各媒体で取りざたされている。実際に、都心の一部では入札価格が高騰、その影響が郊外にも飛び火し、各デベロッパーが用地取得に苦戦している。その上、建築コストも上昇傾向にあり、「競争論理で安値合戦になると自分の首を絞めかねないため、工事を請け負う施工会社(いわゆる「ゼネコン」)が安値受注しなくなっている」(平賀さん)という事情が建設コストの引き上げ圧力となっている。また、ステンレスなどの鉄鋼価格も高騰しており、さらなる資材コストの値上げも懸念材料だ。 |
※不動産経済研究所のデータをもとに住宅情報ナビ編集部が、 |
同じマンション内の価格を決める場合は、まずは中住戸、中層階のまんなか住戸を基準価格とし、この基準価格をベースに、階数、向き、位置などの違いにより、マイナス・プラス評価をし、各住戸を点数化するのが基本。目の前の建物の影響で3階までの眺望がぬけないなら3階と4階の価格差を大きくしたり、駐車場や駐輪場からの通り道になる住戸の前は安くするなど、各住戸個別の要素を加味して調整していく。「例えば、都心のタワーマンションなら、北向きでも東京タワーがきれいに見える上層階なら強気の価格を設定するなど、最近は眺望を重視した価格設定が見られます」と平賀さん。また、南向きと西向きの2棟があるなら、不利な西向き棟をシングル向けのコンパクト物件にしてぐっと価格をおさえるなど、デメリットを逆手にとったプラン戦略をとる場合もある。
|
|
|
||||||
売る側としては、上層階だけ、低層階だけというように特定の住戸ばかりに申し込みが集中するのは失敗で、1戸に1世帯の申し込みがある「倍率=1倍」が理想形。たとえばスーパーであれば、売れ残ってもタイムサービスで値引き販売すればいいが、マンションはそうもいかない。それだけ、偏りなく万遍に売らなければならないのだ。 |
![]() |
|
|