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住まいのなんでも調査隊
vol.30 土地の持つ条件、見極めポイントは?
一戸建ては、建物よりも土地の比重のほうが高い
 マンションと比較すると、一戸建ては土地部分の持つ比重が高くなります。マンションの場合は区分所有者全員で敷地全体を持ち合うわけですが、一戸建てでは個々に敷地境界線があり、土地の所有区分がより明確になります。その分、将来的な建て替えなども自由にできるわけです。例えば、購入後に毎年かかる税金に固定資産税がありますが、この税額を算出する基準として固定資産税評価額というものがあります。土地と建物部分それぞれに評価額がありますが、一般的に一戸建ては最初から土地の評価額が新築の建物評価額を上回ります。一方、マンションは逆のパターンが多くなります。さらに築年を経るにつれて建物部分の評価額は下がりますが、土地部分はそうとは限りません。バブル期のように上がり続けることはないにしても、一定の水準を保ったり、下降線が緩やかだったりするのです。
 新築一戸建てを検討するとき、建物や交通アクセスに関しては慎重にチェックする人が多いと思いますが、土地の持つ条件をしっかり考えるケースは少ないかもしれません。将来的に売却することになっても、重要なのは土地の価値だということを知っておきましょう。大きく2つに分けて、土地の見極め方を見ていくことにしましょう。
土地
土地を見極めるための2つの条件
建物の強度に関わる条件&宅地としての価値に関わる条件
建物の強度に関わる条件  まず、これがいちばん大切なこと。長く安心して暮らすためには、どんなに強固な建物をつくっても、地盤が弱いといろいろな問題が起きてきます。基本的な知識は身につけておいたほうがいいでしょう。
強固な地盤か
 軟弱な地盤に家を建てると、建物の重みで土が沈み込んで、建物がゆがんだり、傾いたりしてしまいます。これは「不同沈下(不等沈下)」という現象です。生活に直接支障をきたすトラブルになりかねないので、「丈夫な地盤」と「弱い地盤」とを見分けることが大切になります。その方法はいくつかありますが、軟弱な場合は地盤改良工事が行われているかがポイント。
土地の履歴を調べる 地盤調査書で確認する
 その土地が以前どのように使われていたかで、基本的な地盤情報を知ることができます。これは役所へ行けば簡単に調べられます。例えば、水田や沼地だったりすると軟弱な地盤の可能性があるので要注意。川に挟まれていたり、川よりも低い位置のときもしっかりチェックする必要があります。ただし、そうした場合でも造成時に地盤改良工事が行われていれば問題ありません。不動産会社に確認、地盤改良の資料を見せてもらいましょう。  最近は多くの不動産会社で地盤調査書を用意しています。これは造成時、または建築前に専門の会社によって行われた調査結果をまとめたもの。一般的な調査方法は、「スウェーデン式サウンディング(SS)法」。土地の複数箇所で、地下10m程度までの地盤を調べます。担当者に説明してもらいながら、確認しましょう。
インターネットで大まかに情報を入手 近所の家を観察してみる
 地盤調査会社がインターネットのサイトで情報を発信しているので、簡単に該当する土地近辺の情報を得ることができます。あくまでもピンポイントでの情報ではなく、周辺一体の大まかな情報ということになります。 インターネットサイト
 現地周辺を歩いて建物を観察してみるのもいいでしょう。可能性は低いですが、比較的新しい一戸建てなのに外壁や基礎部分にヒビが入っている家が多いようだと、一帯の地盤が軟弱なケースもあるからです。
http://www.jiban.co.jp/geodas/guest/index.asp
平坦地か傾斜地か
 やはり安心なのは平坦地で、暮らしやすいはずです。ただし、傾斜地に建つ一戸建てには眺望や日当たり、プライバシー確保などの面からメリットもあります。その場合、どのような造成なのかがポイントになります。
盛土か切土か
 傾斜地を宅地造成する手法には2種類あります。イラストにあるような盛土切土です。慎重にチェックする必要があるのは盛土で、より強固に固めてあることが大切になってきます。ただし、切土の場合でも、擁壁の近くだけ盛土というケースも多いので注意しましょう。必ず造成後の地盤調査の結果を確認しておきましょう。 盛土と切土
宅地としての価値に関わる条件  一般的に一戸建ての宅地としては、落ち着いた環境、道路付けに問題がない、土地の形が使いやすいなどが、その住み心地とともに土地の持つ価値に直結すると考えられます。そうした条件を見極めることによって、長い目で見て快適に暮らせて、売却時にも有利な土地を選ぶことに直結します。
住宅地としては、どんな性格か
 一戸建てに関しては駅から近いほど条件が良いとは、必ずしも言い切ることはできません。なぜなら駅に近いと商業施設などと混在することになり、落ち着いて暮らす住環境ではなくなる可能性が高いからです。落ち着いた環境が将来にわたって確保されるかがポイントです。
用途地域で周辺の環境が分かる
 簡単にいうと用途地域を見れば、その一帯にどのような建物が建てられるのかが決まってきます。工業地域なら工場などが多く、表にまとめたような住居系地域なら一戸建てやマンションなど、居住用の建物が中心となります。一戸建ての用途地域としてもっとも良好な住環境と考えられるのは、「第一種低層住居専用地域」。この地域なら、基本的に2階建ての一戸建てか、マンションでも敷地に余裕がある3階〜4階建ての建物しか建てられません。逆に先に触れたような駅周辺の立地では商業地域の可能性があり、極端な話、隣に10階建てのビルが建つかもしれないのです。
住居系用途地域の種別と建てられるもの
用途地域の種別 性格 建てられるもの ○→建築可能 △→規模・内容により建築可能 ×→原則建築不可
住宅※1 小学校〜高校 病院※2 店舗 風俗施設※3 工場※4
第一種低層住居専用地域 低層住宅の良好な住居環境を保護するための地域 × × × ×
第二種低層住居専用地域 小規模な店舗の立地を認める低層住宅の環境保護のための地域 × × ×
第一種中高層住居専用地域 中高層を含む住宅の環境保護のための地域 × ×
第二種中高層住居専用地域 必要な利便施設立地を認める中高層を含む住宅の環境保護のための地域 × ×
第一種住居地域 大規模な店舗、事務所の立地を制限する住宅のための地域 × ×
第二種住居地域 住宅地の環境を保護するための地域 ×
※1.住宅兼用店舗(条件あり)を含む ※2.診療所は除く ※3.パチンコ店、麻雀店など ※4.床面積50m2を超える工場
(各用途地域の規制に不適合な建築物でも、特定行政庁の許可があれば建築可能)
建ぺい率、容積率はどれくらいか
 土地には用途地域と関連して建ぺい率容積率が設定されています。その土地に対して、最大建てられる建物の大きさが決められているのです。「第一種低層住居専用地域」では建ぺい率50%、容積率100%程度が一般的。この場合、家々の敷地にある程度ゆとりがあり、街全体として植栽など緑の占めるスペースが多くなります。一方、建ぺい率80%、容積率150%とある場合は、土地が多少狭くても3階建ての一戸建てが建ち並ぶ住宅地ということが分かります。 建ぺい率、容積率建ぺい率(%)=
建物の建築面積÷土地面積×100
→土地に対する1階部分の面積の割合

容積率(%)=
(1階+2階 建物の延べ床面積)÷土地面積×100
→土地に対する1階と2階を合わせた面積の割合
接する道路の幅と方向は
 「一戸建ては道路付けが重要」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。確かにその通りです。土地に接する道路の幅や方向によって、住み心地に大きな差が出ますし、購入価格はもちろん、将来売却するときの査定価格にも影響が出るのです。
接する道路の幅は最低4m以上あるか 道路は敷地のどの方向に付いているか
 建築基準法では、幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していないと、家を建てることができません。これが最低条件。もし、幅4m未満のときは、道路の中心線から片側2mを確保できるようセットバックする必要があります。建て売り一戸建てで「セットバック済み」と記されていれば、こうしたケースになります。逆に道路幅が広すぎても、住環境に問題が生じます。家の前に10m以上の幹線道路が走っているシーンを想像してみてください。できれば車がすれ違える程度の5m〜6m幅の道路が理想でしょう。 セットバックの例
 幅とともに大きな意味を持つのが、東西南北どの方向に道路が付いているかです。それぞれにメリットとデメリットがあるので、そのほかの土地の持つ条件と自分たちのこだわりに照らし合わせて選びたいものです。一般的に土地面積が100m2だと想定すると、南に道路があれば、建物に遮られにくいので日当たりが良いはずです。逆に北道路なら、南側に建物があることが多いので、冬季には日当たりは悪くなるでしょう。結果、土地の持つ条件としては、南道路がいちばん有利、東道路、西道路と続き、北道路の順となります。ただし、土地面積が150m2以上のゆとりある広さなら、こうした特徴は薄れると考えてもいいでしょう。 南道路の土地
形は使いやすいか
 最後は土地の形、いわゆる地形(じがた)といわれるもの。例えば正方形か長方形など整形地か、もしくは旗ざお形(敷地延長)と呼ばれる奥まった土地や変形の土地かということです。
条件が良いのは整形地 旗ざお形や変形の土地にもメリットが
 やはり宅地としての条件では整形地が良いといえるでしょう。なかでも正方形もしくは道路に接する部分が長い土地のほうが、日当たりなども良好で廊下部分も抑えられ、プランを立てやすいといえます。長方形でも奥に長い土地では、どうしても廊下の面積が多くなり、スペースの有効活用がしにくいのです。これはマンションでも同様で、バルコニー側の間口(スパン)が長いほうが生活しやすいといわれています。 整形地の例
 整形地に比べると、価格的にも割安感があるのが旗ざお形や変形の土地。道路から2m幅以上敷地を延長した旗ざお形の土地は、一戸建てではよく見られるケースです。周囲を建物に囲まれるので日当たりやプライバシーに難点がある半面、2台分の駐車スペースを確保しやすい、静かで落ち着いた生活ができるなどのメリットも。また、三角形に近いなど変形の場合は、その中にできるだけ正方形に近い建物が建てられるかどうかがポイント。建物まで変形になると、耐震性能などに問題点が生じることがあるからです。 敷地延長の土地


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