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住まいのなんでも調査隊
vol.14 免震?耐震?地震に強いマンションってどんなの?
マンションの耐震性、どんな基準が決められているの?
建物をどのように建てるかは建築基準法を始めとした法律等で基準が定められています。地震に対する基準もその中のひとつ。マンションの耐震性については、どのような基準が設けられているのでしょうか?
「新耐震基準」とは?
地震に耐えられる建物をどのように建てるのかは、法律などで定められ,それらをまとめて「耐震基準」と呼んでいます。現在の耐震基準は1981年にできたもので、それまでのものと区別するために「新耐震基準」と呼ばれています。現在、すべての建物はこの基準に沿って建てられています。
「新耐震基準」の目的は、中程度(震度5程度)の地震の際には建物が壊れないようにすること、強い地震(震度6程度)の際には建物の倒壊を防ぎ、中にいる人の安全を確保できるようにすることです。この基準を満たしていれば、阪神大震災級の地震でも、建物そのものは倒壊することはありません。ただし、建物は大丈夫でも、揺れの大きさによっては、家具などの倒壊による生命の危険が考えられます。
中地震時(一次設計) 大地震時(二次設計)
推定震度(想定加速度) 震度5程度(80〜100ガル) 震度6程度(300〜400ガル)
層間変形角 1/200以下 1/100〜1/50
構造部材の状況 部材は全て許容応力度内にある大きなひび割れは起こらない 降伏する部材も出るが、粘りにより地震エネルギーを吸収し、倒壊は起こらない
非構造部材の状況 外装材の損傷はあっても軽微に留まる 外装材に損傷が出る建築設備に損傷が出る
再使用 補修が必要な場合も軽微な補修で再使用 再使用には慎重な調査を要する
耐震性を高める構造
地盤、基礎部の強化
地盤、基礎部の強化 設計前に地盤を調査し、基礎の工法を決めます。固い地盤ならば、建物を直接地盤で支える工法、軟弱地盤なら地中の固い地盤まで深く杭を打ち込む工法などがとられます。さらに液状化現象が起こる恐れのある地盤の場合、地盤改良をすることもあります。
スパイラル筋で柱を強化
スパイラル筋で柱を強化 マンションの柱は鉄筋(鉄骨鉄筋)コンクリート造が一般的です。このような柱では、縦に伸びた鉄筋(主筋)を囲むように水平方向に「帯筋」と呼ばれる鉄筋が巻き付けられます。これらがコンクリートの拘束性を高め、地震時に受ける力に対して強い柱と作ります。柱の帯筋には、主筋にらせん状に巻く継ぎ目のないスパイラル筋など、より粘り強いものを採用することで地震時の主筋の折れ曲がりを防止しています。
建物を支える耐力壁
建物を支える耐力壁 壁には、耐力壁とそれ以外の非耐力壁があり、耐力壁は柱や梁とともに、建物をしっかり支える役目を果たします。耐力壁には、鉄筋を一列配置するシングル配筋に比べてより粘り強さを発揮する二列配置のダブル配筋を採用するなどして、建物の耐震性を確保します。
プロからのCheck&Advice
碓井民朗さん 建築家
碓井民朗さん
碓井建築オフィス代表。一級建築士として、マンションの設計監修、購入者相談などを実践。住宅関連著書多数。
ポイント1
安心の免震構造。
でも注意が必要!
 免震装置は、建物の下(地中)にアイソレーター(免震支承)という、円盤ゴムと鉄板を交互に重ねた円柱状の構造体です。これらは経年変化やバクテリアによる腐食などで傷むため、20〜30年程度でゴム部の交換が必要となります。修繕積立金の中に、費用が計上されている場合は問題ありませんが、もし計上されていない場合は、億単位の費用が発生します。購入時には、修繕計画の中身も忘れずにチェックする必要があります。
ポイント2
高層マンションに多い
「混構造」に注意。
 高層タイプのマンションには、下層階は鉄骨鉄筋コンクリート、中上層階は鉄筋コンクリートと、「混構造」を採用するケースが見られます。この場合、大きな地震の影響で構造のつなぎ目部分から破損する可能性があります。購入時には必ず、物件概要の「構造」部分を確認してください。
今回のテーマに関係するリンク集
地震に負けない! 丈夫で長持ちする一戸建ての条件
免震構造ってどんなの?
高層マンション、タワーマンションを中心に、「免震構造」を掲げる新築マンションが増えてきています。「免震構造」とはどんな仕組みなのか、調べてみました。
免震構造のしくみ
免震構造のしくみ 「耐震構造」が地震に耐えて建物構造部の安全を守るのに対して、「免震構造」は地震の揺れを吸収する構造です。免震装置が地盤からの揺れを吸収するので、建物の揺れや変形は少なく、窓や壁の損傷、家具や什器等の転倒も軽減されます。
積層ゴムアイソレーター
積層ゴムアイソレーター 地震時に、地盤と建物が完全に絶縁していれば、揺れの影響を受けませんが、建物を宙に浮かすことは不可能です。そこで免震構造では「積層ゴムアイソレーター」を基礎構造に設置し、地震時の力を吸収・分散。地盤と建物との共振を避け、揺れ幅をおさえるというしくみです。
マンションの耐震設備、他にもこんなものがある!
最近のマンションでは、建物そのものが耐震構造なのはもちろん、住戸内にも地震時に私たちを守ってくれるいろいろな設備が装備されています。
耐震ドア枠 耐震ドアガード 耐震ラッチ
耐震ドア枠
地震によって建物が揺れると玄関ドアも変形し、ドアの角がドア枠に触れ、丁番にも大きな力がかかって開かなくなることがあります。地震時の変形をドア枠の一部で吸収し、ドアを避難口として確保できるようにするのが「耐震ドア枠」です。
耐震ドアガード
玄関ドア枠のストッパーに引っ掛けるドアガードを使用中に、地震が発生しドア枠が変形すると、ドアガードを外せなくなり、ドアが開かなくなる場合があります。そのようなことが起こらないよう、ストッパー部分が上下に可動するタイプや、付け根部分のクリアランスを大きくしたタイプが「耐震ドアガード」です。
耐震ラッチ
地震が起きると、戸棚などの収納物が揺れの反動で扉を押し開け、飛び出す場合があります。「耐震ラッチ」は下足入れ、キッチン、トイレ、洗面化粧台などの吊戸棚に設置され、戸棚の中から押す力が働いても扉が開くことがないようにする装置です。
マイコンガスメーター
キッチンなどでガスを使用時に地震が起きると、火災などの二次災害を引き起こす恐れがあります。マイコンガスメーターは、震度5相当以上の地震があった場合に揺れを感知し、自動的にガスを遮断する機能を持っています。
エレベーターの地震時管制運転システム
地震を感知したときに、自動的に最寄の階でエレベーターが停止するシステム。P波(初期微動)を感知して停止するので、よりエネルギーの大きいS波(本震)が来る前に避難することができます。


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