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住まいのなんでも調査隊
vol.13 気になる「生活騒音」。どんな設備が効果的なの?
「音」にはどういうものがあるの?
住宅情報誌のアンケート結果でも「生活音」は、マンション購入希望者の半数以上が気にするポイント。建物完成前の購入が多い新築マンションでは、音の伝わり方は事前チェックができないもの。まずは「防音生活」の第一歩として、どんな音がどのようにして伝わるのか知っておきましょう。
音には伝わり方によって違いがある。
音は物や空気が振動することで伝わります。マンションは上下左右の住戸が床や壁などでつながっており、物(躯体)を通じて伝わる音を「固体伝搬音」といいます。とくに上階の床を通じて伝わる「床衝撃音」は気になるもの。一方、サッシを通して聞こえる外部音、壁が共鳴して伝わり聞こえてくるTVや人の声などは、空気を通じて伝わる「空気伝搬音」といいます。
「遮音等級」ってなに?
気になる床衝撃音には、食器を落とした時のような中高音域で発生する「軽量床衝撃音(LL)」と、人が飛び跳ねた時のような低音域で発生する「重量床衝撃音(LH)」があります。そしてこの2つの床衝撃音の遮音性を総合的に表しているのが、カタログ等に記載されている「L-00」などの表示、「遮音等級」です。表示基準はJIS規格で定められており、数値が小さいほど性能が高く、現在の新築マンションではL-50以上が一般的。LHなら50〜55、軽量衝撃音を左右する床仕上げ材の遮音等級ではLL45以下の物が理想的です。また、物件パンフレットなどでは「LL」表記は見なれていますが、なかには「LH」表記まできちんと表記されている物件もあります。
重量床衝撃音
対策等級 等級1 等級2 等級3 等級4 等級5
相当スラブ厚 その他 11cm相当 15cm相当 20cm相当 27cm相当
JISの
Li,r,H等級
70 65 60 55 50
子供の走り回る音、大人の足音など うるさい 発生音がかなり気になる よく聞こえる 聞こえる 小さく聞こえる
軽量床衝撃音
対策等級 等級1 等級2 等級3 等級4 等級5
JISの
Li,r,H等級
65 60 55 50 45
椅子、食器、通貨の落下音など うるさい 発生音がかなり気になる よく聞こえる 聞こえる 小さく聞こえる
*表示内容は近似的対応を示すもので実際の生活実感と完全に一致するものではありません。
プロからのCheck&Advice
碓井民朗さん 建築家
碓井民朗さん
碓井建築オフィス代表。一級建築士として、マンションの設計監修、購入者相談などを実践。住宅関連著書多数。
ポイント1
両隣と上階住戸の
ルームプランは要確認
 最近のマンションは多彩なルームプランが用意されています。そのため各戸のプランは様々で、例えば隣接する住戸タイプの水廻りが寝室に隣接している場合、生活騒音に注意が必要。特にコーポラティブハウスやSI住宅は様々なプランが考えられるので要注意。隣りの住戸の水廻りが居室に隣接する場合は戸境壁の厚さ25cm以上が望ましいでしょう。
ポイント2
排水の配管は
どんな設置になっているか
 上下水の流れる音は躯体を通じて伝わります。排水設備の配管には遮音材が巻かれているか、躯体であるコンクリートに直に接触しないように設置されているかが、音の伝わり方を左右します。二重床構造の場合、隙間に配管が通してあるため、配管を止める金具にゴム等の遮音材が巻かれているかも要チェックです。
ポイント3
“静かすぎる”ことによる弊害も…
 外部音対策では、二重サッシが標準装備でも安心は禁物。外部音は換気口から室内に伝わることが多いのです。かといって塞いでしまうと、確かに静かになりますが、静か過ぎて上階や隣戸のスリッパ音等が聞こえるようになることも。ある程度の外部音が聞こえることで、室内に40〜50dB程度の暗騒音を確保することが、結果的に快適な住環境を実現することになるのです。
今回のテーマに関係するリンク集
 
生活音対策にはこんな構造・設備が効果的!
住宅購入時にチェックしたいポイントは、カタログ等に記載されている躯体の構造や設備、そしてそれらの遮音等級。最近では住宅販売会社各社でも防音対策に力を入れています。現在開発されている最新の床構造も合わせてご紹介。
床衝撃音の対策に効果的?「二重床」ってどんなもの?
コンクリートスラブと床仕上げ材の間に隙間や緩衝材を設けて、遮音性に効果を発揮するという二重床。注意したいのはその構造。空気層によって、重量床衝撃音が太鼓のように響いてしまうことがあります。そこで遮音性を左右するのが、床を支える支持脚(防振ゴム)の性能。ゴムが柔らかいほど音が吸収されやすくなりますが、柔らかすぎると床の揺れを感じるなど歩行感が気になることも。また、軽量床衝撃音は、床材と壁が密着している場合、壁を通じて伝わることがあるため、床と壁の間を離した工法が採られているかどうかも、重要なポイントに。
高遮音二重床
高遮音二重床概念図
支持脚のゴム硬度や特殊制振材、特殊吸音ブロックで遮音性を向上
床のスラブ厚はどのくらいあれば大丈夫?
重量床衝撃音の緩和に効果的なのが、コンクリートスラブの厚さが十分に確保されていること。現在の新築分譲マンションでは、床スラブ厚20cm以上が目安になっています。また、直張り(コンクリートスラブに直接フローリング等の床材を敷いた工法)の場合、このスラブ厚が遮音性能を左右し、フローリングなど仕上げ材の遮音等級、スラブとの間にどのような遮音吸収材が設けられているかもポイントになります。また、住居に小梁りを入れて施工することが床のたわみや振動を抑えて、版振動を緩和することにもつながります。   コンクリートスラブ
「生活音対策」こんなこともチェックしよう!
進化した「二重壁」は、取り付け自由度も高い
マンションの戸境壁はコンクリート厚18cm以上が理想的。遮音性では直張り壁が勝り、二重壁工法は中空なため音が響きやすいといわれていますが、二重壁の工法によっては直張り壁と同等の遮音性能が得られます。また、最近では特殊吸音材・防音材を用いて高い遮音性能を実現した、高遮音壁も開発されています。製品によっては、リフォームでの後付けや、コンセント、スイッチボックスの取付けなども可能。
床衝撃音の緩和に、防音マット
カーペットの下地用として使用することで、床衝撃音対策に効果的な防音マットも市販されています。ポリエステル素材等による衝撃吸収層が設けられ、床衝撃音を改善。
※取材協力:株式会社長谷工コーポレーション


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