マンション選びの新キーワードは、“プチ贅沢”感!
ファイナンシャルプランナーCFP(R)
岡本郁雄さん
リクルート住宅情報事業部を経て独立。年間200現場以上を見学。マーケットの視点で、マンションを評価。不動産領域のコンサルタントおよびファイナンシャルプランナーとして、不動産のマーケティング業務、コンサルティング業務、住宅購入セミナーの講師、住宅関連の記事の執筆など幅広く活躍中。経済産業省登録 中小企業診断士、宅地建物取引主任者
最近のマンションの設備・仕様は、“プチ贅沢”感がポイント。
毎日をもっと快適にしてくれる、なくてもいいけどあると便利な設備・仕様とは?
近年注目度がアップしている設備・仕様の傾向や人気の理由を探り、
快適な住まいのトレンドを見極めましょう!
※「2007年首都圏新築マンション契約者動向調査」(リクルート)より

注目度アップの「オール電化」&「キッチン設備」
購入の決め手となった物件の設備・仕様は、「日当たりの良さ」「リビングの広さ」「収納スペース」などをはじめとする上位10位までは、ここ数年、そのラインナップにほぼ変わりはありません。しかし2004年から2007年までの間に、「オール電化」と「キッチンの設備」の注目度が高まってきています。
「オール電化、使ってみた実感」
- ランニングコストが圧倒的に安い。掃除しやすいのでキッチンを清潔に保てる。一般的にいわれている火力のなさなども感じたことはなく、むしろ強いくらいである。自分が高齢になった時のことを考えても、火がないので、安心して老後を迎えられる。(男性・37歳)
- 火を使わないから子どもがいても安心。ガス料金がかからないので経済的。 (女性・24歳)
- 環境に貢献することができる。(男性・37歳)
- 光熱費が管理しやすい。安全、便利で手入れがしやすい。(女性・32歳)
※リクルート住宅情報ナビ 2008年2月調査より
「ランニングコスト」「エコ」「省時間」が設備選びのカギ
「オール電化」が一般化してきた背景には、以前は都心の高級物件中心だったのが、ここ4〜5年で郊外のファミリー物件にも導入され始め、広く普及してきたことが挙げられます。そして、ランニングコストに対する意識の高まりが、そのニーズと合致したのでしょう。実際、ガス利用と比べて光熱費を抑えることができるので、調査においてもその満足度が高い結果となって表れてきていると考えられます。
また機能面でも以前より使いやすくなり、空気が汚れない、掃除がラク、火が出ないので子どもや高齢者に安全など、エコ的な観点や安全性などの点から、その良さが次第に浸透してきています。特に、近年増え続ける高齢者のみの世帯にとって、その安全性は魅力でしょう。また今後ますます高齢化が進んでいくと考えられる現状では、将来、自身が高齢となった時のことを見据えて、老後の安心のために「オール電化」を選択する、という傾向もあるようです。
「キッチン設備」で人気があるのは「ディスポーザー」。生ゴミをマンションの浄化槽で処理し下水道に流せる、マンションならではの設備です。24時間いつでも処理できるので、部屋から生ゴミを減らせるのがポイントです。その他、増えてきているのは「ビルトイン食器洗浄乾燥機」。夫婦共働きなどで子供の世話や地域の行事などで忙しい人が多いため、時間を節約できる“省時間”の設備は人気が出てきています。また、お風呂の湯温を保つ「保温浴槽(魔法ビン浴槽)」も注目度がアップしています。追い焚きすることが少なくなるので、光熱費の点からも魅力です。
このような近年の傾向から見えてくるのは、絶対に必要ではないけれど、あると便利で“プチ贅沢”感のある設備や仕様。そのポイントは「ランニングコスト」「エコ」「省時間」といえるでしょう。
設備・仕様の賢い見極め方
「オール電化」「キッチンの設備」に続いて高い伸び率を示すのが、「地震対策」「住戸からの眺望」。これらのように、実際に確かめることが難しいものについては、できるだけ情報を集めてしっかりとチェックしておくことが大切です。
“今”心に響く設備・仕様をチェック
理想の住まいを絞り込んでいくために、まず、「立地」「間取り」「広さ」という基本の条件を押さえましょう。合わせて、「構造」「ランドスケープ」「マンション管理」をチェックすることが大切です。地震対策がどのように施されているか、構造躯体や性能評価についてきちんと確認しておきましょう。終の住処としてマンションを購入する傾向があるなか、将来的な住み心地をキープするためにも、特に慎重に見極める必要がある部分です。
そして設備・仕様は、サッシの性能など後から変えることが難しいものについてよく吟味するようにしましょう。ただし、スペックは常に進化していくものなので、先のことを考えるとキリがありません。最新の設備・仕様について、自分にとって必要かどうか、“今”心に響くものを検討してみてください。外廊下側の部屋のプライバシー性を高め採光調整も可能な「ルーバー格子」、スペースを取らない「タンクレストイレ」なども導入物件が増えつつあります。
「眺望」は暮らしの満足につながるものであり、住まいの付加価値を高める要素。現状の眺望について、現地に行って確認することはもちろんですが、将来的に遮るものが建つ予定があるか、可能性がどのくらいあるのかなど、確かめておくようにしましょう。すでにビルなどが建っている場合でも、窓からの景色に圧迫感がないか、プライバシーは確保できるかなどの観点からもチェックして、納得しておくことが必要です。
最近は、生活に直結する部分についてのベネフィットを求める傾向にあります。毎日のことだからこそ、その利便性や贅沢感が満足につながり、より暮らしが快適になるはずです。
イラスト : トリゴエモトコ
