一戸建て購入で、みんなが“こだわる”のは?
住宅ライター・アドバイザー
&コラムニスト
藤原千秋さん
住宅メーカー営業マンを経てフリーに。近著『ひと目でわかる 簡単おそうじのアイデア』(世界文化社/2007)。総合情報サイトAll About(オールアバウト)「住まいを考える」のガイドでもある。
http://allabout.co.jp/living/
sumai/
広いリビング、オープンキッチン、ガーデニングができる庭――。住まいへの理想は、果てしなく夢がふくらむもの。調査結果で不動の上位を占める人気項目、そして近年注目度アップのあの設備について、上手な選び方やチェックポイントを大公開!
※「2007年首都圏新築一戸建て契約者動向調査」(リクルート)より


人気“こだわり”項目は、2005年から不動の傾向
「リビングの広さ」は、2005年からの2007年への伸び率が4.3%とグンとアップ。次いで「2台分以上の駐車スペース」も3.2%となっており、 “こだわり”項目としてますます不動の地位を築く傾向にあります。また、2006年から2007年では「キッチンの広さ」が2.5%と、一番の伸び率となっています。
- 家族でゆったり過ごしたかったので広いリビングにこだわりました。 20畳でカウンターキッチンだから、私が料理をしていても家族と話ができますし、部屋も見渡せ、いい感じです。(26歳・女性)
- 友達が大勢来ても大丈夫なようにリビングの広さは重視。パーティーづいてます。(32歳・男性)
- 車いじりが好きなので、駐車スペースがあることは絶対。 夫婦で1台ずつ車を持っているので2台分は必要ですし、広いほうが工具も置けていいです。(25歳・男性)
- 収納スペースがなければタンスなど家具を買わなければならなくなり、 部屋が狭くなってしまうと思ったので、各部屋に収納があることにはこだわりました。(30歳・女性)
- 風俗店が周囲にないなど、近隣の雰囲気は重視しました。(35歳・男性)
- 長く住む家ですから、中身だけでなく外観のデザインにもこだわりました。(33歳・男性)
- 同じ価格で、ひとまわり広い部屋に住める。(男性・37歳)
- こだわったのは和室があること。親や友達が来たときでも、布団を敷けばすぐ寝室にできるので便利ですよ。(34歳・女性)
- 将来子どもが生まれたときのことを考えて、公園まで200メートルという近さの家を買いました。 バルコニーからも見えるので遊んでいても安心です。(27歳・男性)
※リクルート住宅情報ナビ 2008年3月調査より
将来の家族構成や生活スタイルなどをよく考えて
15畳を超えるような広いリビングのメリットはいろいろあります。子どもが小さいうちは勉強部屋兼リビングに、大きくなったら間仕切りで小さな部屋をつくるなど、使い方や間取りの可変性が広がります。また、友達を呼んでホームパーティーや趣味の教室を開くなど、サロン的な使い方をすることも可能。なにより、「広い」ということで気持ちが豊かになり、暮らしのグレードをアップさせる効果があるでしょう。
駐車スペースは、あとから増やすのが難しいスペック。家から離れたところに2台目用の駐車場を借りることもできますが、駐車場代がかかるうえ、通勤や送り迎えに使う場合は、毎日のこととなると大変です。近い将来、車の台数が増える可能性があるかどうか、よく検討しておきましょう。
収納スペースは、たくさんあればあるほど便利と考えがちですが、多すぎると物を無駄に増やしかねません。基本は、収納しなければならない物の量に見合ったスペースを各室に確保すること。特に洗面所のリネンスペースは、タオルや洗剤など収納する物が意外と多いわりには、見落としがちな部分です。
スペックを検討する際、あとから増やしにくい、広げにくい部分については、10年後など将来の家族構成や生活スタイルなどをよく考えることがポイント。ある程度オーバースペックになっても、はじめに確保しておいた方がよいかどうか、見極めるようにしましょう。
注目のトレンドは、“おしゃれ”“高級感”
ここ数年ランクアップしている人気の項目は、欧米のようにリビングに階段がある「リビングイン(スルー)階段」とエネルギーをすべて電気でまかなう「オール電化」。その伸び率もリビングイン(スルー)階段は2.4%、オール電化は3.2%です。また「キッチンの広さ」「内装のデザイン」なども注目度アップ。おしゃれな見た目や高級感が人気のポイントといえそうです。
実用性をシミュレーションしてみる
ライフスタイルを表現するうえで、見た目のおしゃれさや高級感は大切なポイント。また機能性などの実用面についても、日ごろの生活を頭の中で描いてみて、本当に求めている条件かどうか、判断することが大切です。
下記は一般的なメリット・デメリットですが、自分にとってのポイントを挙げてみて、よくシミュレーションしてみましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| リビングイン(スルー)階段 |
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| オール電化 |
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“建物以外”もしっかりチェック!
「周辺の街区の美しさ」「周辺の公園数・規模・近さ」「周辺の緑量」などの周辺環境や「地盤・基礎の強さ」「車道と分離された歩道」など、“建物以外”の条件はチェックが甘くなりがち。計画道路や再開発など、街の将来性なども合わせてしっかり確認しておきましょう。
“自分では手を入れることができない”項目をよく調べる
室内は後でリフォームするなど手を加えることが可能ですが、 部屋以外については自分で変更することが難しいだけに、よく調べておくことが大切です。
周辺環境は、ぜひチェックしておきたい部分。 周辺に騒音や悪臭のもとがないか、利便施設が近いか、安全な環境かを確認。また自然も大事にしたい要素。 公園の木々の緑が近くにあることで、豊かさを享受できるだけでなく、心にゆとりをもたらしてくれます。
地震の際に明暗を分けることになるのが地盤の強度。自治体によっては、想定震度などを示した「ハザードマップ」を出しているので、参考にするとよいでしょう。一番良いのは、現地へ行って長年住んでいる人に聞いてみること。その土地や周辺についての情報を一番確実に知ることができる方法です。
また車道と歩道が分離されているかどうかは、見過ごしやすい部分。子どもにとっての安全性や年をとってから気づく不便さは、今の時点ではわからなくても、将来的に重要になってくる場合があります。ライフステージの少し先をイメージしてチェックしましょう
イラスト : トリゴエモトコ
