住宅ジャーナリスト
大森広司さん
『住宅情報マンションズ』『住宅情報タウンズ』等で、住宅問題全般にわたって取材・執筆活動を行う。主な著書に『はじめてのマイホーム 買うときマニュアル』(日本実業出版社)、『新築マンション 買うなら今だ!』(すばる舎)などがある。総合情報サイトAll About(オールアバウト)「はじめてのマンション購入」のガイドでもある
http://allabout.co.jp/house/
mansionbeginner
広々リビング、カウンター式のキッチン、安心のセキュリティ・・・住まいへの夢はふくらむものの、いざ現実となると問題は資金のこと。
しかし調査によると、自己資金「200万円未満」で住まいを手に入れた人が、最も多かった!(※)本当にこの金額で大丈夫なの?という不安とギモンを検証します。
※「2007年首都圏新築マンション契約者動向調査」(リクルート)より
自己資金「200万円未満」で買っている人は、こんなにいる!
少ない自己資金で大きな買い物をしている人が意外に多い、という実態が明らかになりました。「600万円未満」の人は47%にものぼります。ライフステージ別に見ると、「シングル男性世帯」の28%、「夫婦のみ世帯(DINKS)」「夫婦のみ世帯(専業主婦)」「第一子小学校入学前」のそれぞれ22%が「200万円未満」で購入しています。
「もう少し考えてもよかったかも」
- 自己資金が少ないと、設備や家具等で妥協する必要が出てきます。 やはり自己資金は少し貯めてからマンション購入することをお勧めします。(男性・37歳)
- ほとんど見切りで購入に踏み切ったが、ローンの組み方についてあまり検討しなかった。 結果的には銀行任せになってしまい、もう少し考えてもよかったように思う。(男性・36歳)
- やはり自己資金はある程度あったほうが将来的にも不安がなくて良かったのではと、手遅れながら反省しています。 しかし年収が安定してきた今だから、(中略)悩んでいるより自分にリスクを負わせる覚悟を決めることも、 やはり人生には必要なことなのでしょう。(男性・48歳)
- 広告によくある、賃貸との支払額差に関しての文言はかなり勘違いしやすいと思います。 十分なゆとりをもってシミュレーションすることが大事だと感じました。(女性・29歳)
※リクルート住宅情報ナビ 2007年12月調査より
「今までの生活」を見直し「覚悟」を決めよう
調査結果を見てみると、少ない自己資金でマンションを買ったことを「早まったかな」と後悔している声もみられますね。ふつう頭金は購入価格の20%が必要とされています。その他にも諸費用(登記費用など)が200万円ほどかかりますから、4000万円の物件なら1000万円は自己資金を持っていなければならない計算になります。
それでもどうしても買いたい物件があって、ローンもめどが立つというのであれば、まずは、今までの生活=出費を徹底的に見直し改める「覚悟」を決めなければいけません。今まで貯金できなかった人は、ローンを組んだあとでもなかなか貯めることができず、返済が苦しくなる場合があるからです。
なお貯金も少なくまだ子どももいない若い世帯は、目先の低金利に惑わされて焦らないこと。これから先、家族構成が変化したりライフプランが変わる可能性があるからです。今から少しずつお金を貯めて、見通しが安定したころに十分な頭金で購入したほうが、結局は返済もラクになります。
あきらめたこと・・・「最寄り駅からの時間」「価格」「広さ」※
自己資金が少ないために、購入の際にあきらめたり妥協しなければならなかった項目、これも気になるところ。自己資金「200万円未満」の人のあきらめ項目は、「最寄り駅からの時間」「価格」「住戸の広さ」が1〜3位となりました。これは、物件を検討する際に重視される上位3項目と完全に一致。最もゆずりたくない部分をゆずらなければならない、キビシイ実情が見えてきました。
※リクルート住宅情報ナビ 2007年12月調査より
返せる「めど」をきちんと立てよう!
自己資金「200万円未満」は、購入できる物件も限定されてくる上に返済も厳しくなりますが、それでも安定した収入が見込めればローンを組むことはできます。今は金利も低く、購入価格の90〜100%の金額に諸費用も上乗せして借りられるローンがあるので、低予算でも購入が可能。それだけにローンを安易に考えてしまいがちですが、一般的に年間の返済額の目安は年収(税込み)の20〜25%であることを、頭にとどめておきましょう。
そして20〜30年の間、それだけの金額を返済し続けていく「めど」を立てることが大切です。不動産会社にはローンの返済例をきちんとシミュレーションしてもらって、今払っている賃料とシミュレーション結果を安易に比較して即決することがないように注意しましょう。
<ここをチェック!>
- 初年度1年間だけでなく長期でシミュレーションをする
- 優遇期間を設けた「固定期間選択型」や「変動型」ローンの場合、優遇期間終了後にどのくらい返済額がアップするのか必ず確認する
- 返済額以外にも発生する管理費や修繕費、税金はいくらになるのか把握しておく
イラスト : トリゴエモトコ
