東京カンテイ 市場調査部 上席主任研究員
中山登志朗さん
出版社勤務を経て1998年より現職。不動産市況全般の調査・分析を担当、市況レポート『kantei eye』編集長。新聞、雑誌、テレビなどに数多くの原稿、コメントを提供
駅から徒歩10分以内の物件を選んだ人は約65%で、駅チカ物件はやっぱり人気!特に埼玉県で「徒歩5分以内」物件を購入した人が多いことが調査結果から明らかになりました。(※1)
他のエリアと比べた埼玉県の「徒歩5分以内」の魅力をチェック!
※「2006年首都圏新築マンション契約者動向調査」(リクルート)より
供給が多くて安い!さいたまの「徒歩5分以内」物件
「8.1分」。2006年に首都圏でマンションを購入した人の、最寄り駅からの平均徒歩時間です。駅徒歩6分〜10分の物件を購入した人も全体の約34%と3分の1以上を占め、駅からアクセス楽々の駅チカ物件の人気は衰えを知りません。でも、駅チカといえば「高い」「狭い」「物件が出にくい」と、なかなか手が出せない物件であることもまた事実。あきらめてもう少し遠い徒歩圏内で探すか、バス便を考慮に入れるか・・・でも、やっぱり徒歩5分以内にこだわるにはそれなりの理由があるようです。
「駅チカにこだわったのは、こんな理由」
- 寒い日や熱い日もすぐに駅に着くのでよい。夜も安心。疲れててもほとんど歩かないで帰れるのでよい。(男性・33歳)
- 夜遅くに帰ってきても駅からすぐに家に着くので安心。(女性・39歳)
- 駅が近いと子どもがいても行動範囲を広げやすい。比較的商業施設が多く整っている。(女性・29歳)
- お出かけする時もゆとりをもって支度ができる。(女性・27歳)
- 雨が降って傘を忘れた日も走ればすぐ家に着く。(女性・31歳)
- 万が一売却することになっても、駅近なら資産価値が下がりにくいかなと思った。(女性・38歳)
- 車で送迎などはしなくてよい。(男性・36歳)
- 飲んで帰ったときにとても楽。雨の心配をしなくていい。駅前で商業施設が近いので買い物が便利。(女性・25歳)
※リクルート住宅情報ナビ 2007年12月調査より
埼玉県はねらい目
調査によると、埼玉県の徒歩5分以内物件の供給シェアは41.2%と、他県の31.7%〜39.6%を押さえて供給シェアが高く、かつ価格も平均3379万円と安いことが明らかになっています。埼玉県は大宮、浦和、所沢など大規模再開発で物件が出やすい傾向に。つくばエクスプレスの通る八潮駅や2008年6月に開通する予定の副都心線〜東武東上線沿線も再開発される計画があるので、ねらい目かもしれません。
※ 東京カンテイ調べ
これだけじゃない!さいたまの「徒歩5分以内」の魅力
都心の再開発物件は物件の価格が高くなる傾向にありますが、埼玉県や千葉県の物件はその点でメリットが多いことがわかっています。特に埼玉県の物件は専有面積もファミリーにちょうどよく(平均66.62m²)、価格も他のエリアより比較的安く設定されています。そして再開発物件の魅力は、なんといっても駅周辺施設やマンションの敷地そのものに商業施設や教育機関、病院、金融機関など、生活に必要な要素がすべて揃っている点です。
再開発物件の魅力は、「快適7項目」が揃っている点
「1.職 2.住 3.遊 4.医 5.学 6.食 7.快」という、住まいを選ぶときの7つのチェック項目が、再開発の物件ではほぼ揃っています。「住まいを買う」ということは生活の拠点を選ぶということです。そういう観点からは、埼玉県の再開発物件は安心して生活を築ける拠点になり得るといえますね。
物件選びの7項目
- 職:仕事場とのアクセス
- 住:住居の仕様
- 遊:公的環境も含めた周辺環境
- 医:医療機関
- 学:教育機関(学習塾やカルチャースクールも含む)
- 食:毎日の食のみならず、「こだわりの店」「お気に入りの店」があるかどうか
- 快:1〜6のすべての項目が自分を含む家族にとって好ましいかどうか
「徒歩5分以内」の物件探しで気をつけることは?
駅チカで予算にも合いそうな物件と出会ったら、次の4つの項目を冷静にチェック!
- 1.駅周辺の環境
- 駅前の商業施設の様子、人の流れや騒音などは時間、曜日によって刻々と変化します。昼間はふつうの商店街でも、夜は酔客で騒々しかったりするかもしれません。また小さな子どものいる家庭では、遊興施設など避けたい環境についてもチェックを。
- 2.交通・道路状況
- 大きな幹線道路があって交通量が多い、歩道の幅が狭く歩きにくい、地形のアップダウンがきつい、なども毎日のことだとストレスです。また排気ガスなど環境面にも影響がありますので、物件との位置関係を把握しておきましょう。
- 3.沿線
- 急行が止まるか各駅停車かどうかは価格に大きく影響します。各駅停車でもターミナル駅に近ければ利便性は高いといえます。また通勤ラッシュが激しくて待っても乗れない、という問題も耳にします。アクセスの良さに惑わされず、実態を自分の目で確かめましょう。
- 4.安全性
- シングル女性の50.8%が徒歩5分以内の物件を選んでいます。背景には昨今の安全性に対する不安が挙げられるでしょう。小さな子どものいる家庭でも、駅から物件周辺までの環境を、夜の時間帯も含め確認しましょう。
イラスト : トリゴエモトコ
