住宅情報 都心に住む
2006年7月10日号 vol.161
景気の回復を受けてか、このところリゾート物件が好況です。あるリゾート会社の話によると、都心に拠点を持つ人が、もう1つの住まいとしてリゾート物件を購入するケースが増えているといいます。では、二つの住みかを持つメリットは何でしょうか? 「住宅情報 都心に住む」6月26日発売号では、都心とリゾートの二重生活者の声に耳を傾けています。
都心とリゾート、二つの自邸を持つという選択
[ OFF ]
インターネットで気象をチェックし、低気圧が来ていると「そわそわしてしまう(笑)」。波がよければ夜明けに海に出て、波に乗ることに集中する

一瞬の気のゆるみ、迷いが大きな損失につながる。しのぎを削るがごときビジネスの筆頭に挙げられるトレーディングが上原さん(40歳・仮名)の仕事だ。市場での取引だけでなく、多様な人々と会って、話し、情報を収集し分析することも欠かせない。
 そんなハードな日々を送る上原さんだが、週末ともなると様子が一変する。愛車のフェラーリを駆って恵比寿の自宅から、鎌倉由比ガ浜のマンションへと“帰って”いくのだ。
  「別荘ではなく、どちらも住んでいる自宅という感覚ですね」
 都心と海辺、ふたつの自宅を持つ『ダブルハウス』生活のきっかけは、10年ほど前、友人と出かけた伊豆で退屈しのぎにボディボードで遊んだことだった。
  「波に乗る快感にすっかりはまってしまいまして(笑)」
 仕事を忘れて夢中になれる解放感が上原さんを引きつけたのだろうか、30歳にして海に目覚めて以来、なんと毎週、日帰りでの海通いが始まったのだ。
  「当時はボディボードばかりやっていました。ボディボードとはいえ初心者には房総の波はちょっと荒い。伊豆は日帰りで行くにはやや遠い。ということで湘南が多くなっていましたね」
 恵比寿から早朝なら車で1時間の湘南に週末ごとに来ているうちに、海際にマンションが建設されているのを発見し、完成を待たずして購入してしまった。それがもうひとつの自宅、ウイークエンドハウスだ。
 このマンションを手に入れて、上原さんの遊び方も変わった。サーフィンを始めたのだ。
  「波の上を走るスピード感が何ともいえず、いいんですよ。うまく乗れたときなど仕事では味わえない快感を覚えます」 
サーフィンを始めたことで、さらに波乗りへの情熱も過熱し、最近は波の状態が良さそうだと見るや平日でも鎌倉に帰り、早朝2時間ほど波に乗って、直接出勤することもあるとか。
  「いつも仕事のことを考えていますが、海に来るとなぜか仕事を忘れるんです」
 自分をリセットするためにも、この時間は貴重だと上原さんはいう。


[ ON ]
同エリアの賃貸マンションにいたが、昨年このマンションを購入。部屋のバルコニーからは白金の自然教育園の緑が一望できる


ONはやっぱり都心 今度は港区あたりに……

 鎌倉が癒やしの家なら都心は前線基地。というと無味乾燥な家をイメージするが、上原さんの場合、都心の家も実は癒やし十分。高台の高層マンションで、眼下には白金の自然教育園の緑が広がり、遠くに東京湾や、天気がよければ富士山も眺められるという眺望の良さ。シネマもデパートも、こだわりの料理屋も歩いて行ける。
 この家から六本木にある会社まで、上原さんは車で通勤しているが、「所要時間は15分くらい」だとか。ちょっと意外なほどの短さだが、山手線の内側での移動は、通勤時間帯でも思いのほかスムーズなのだ。青山通りにしろ六本木通りや日比谷通りにしろ、ほとんど渋滞は気にならない。だからこそ、都心を離れられないと上原さん。かつて、郊外に家を購入して住んでいたこともあるが、恵比寿に住んでからというもの、都心以外で暮らすことが考えられなくなったのは、移動に無駄な時間をとられないのも一因だという。
  「実はまた住み替えたいと思っているんですが、やはり都心ですね。今度は港区あたりがいいかな。鎌倉にいつでも帰れる家があるせいか、生来飽きっぽいせいか(笑)、都心ではわりと気軽に住み替えられます」
 都心をやや離れた家で利便性と自然を少しずつ得るのではなく、平日は「超」都心でフットワーク良く暮らし、休日はリゾート地できっちり自然に浸る。これもまた賢い選択だ。

取材・文/PLUS ONE 撮影/杉田賢治(海)、遠藤貴也(都心)
編集後記


普段は取材といっても、そのほとんどが都心、それも港区近辺で事足りてしまうのですが、今回は湘南や房総の海に行くことができました。仕事なのに“ちょいリゾート”気分を味わうことができ、ちょっとトクした取材でした。(編集M)

本誌ご紹介
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第2特集は「都心⇔リゾート 二重生活しませんか?」。最近、都心とリゾートに二つの家を持つ人が増えているそう。二重生活の相乗効果で得られる豊かな暮らしを紹介します。
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先週の評価&ご感想
vol.160 35畳のリビングに家族が集うオープンハウス オモシロイ 80% イマイチ 20%

私たち夫婦が欲しかった間取りそのもの! 家族全員がくつろげる憩いのスペースとしてのリビングの在り方はとても参考になりました。(30代 女性 神奈川県)


ご投稿ありがとうございます。一人一人に個別の部屋が割り当てられている時代に、家族の集いを大切にした間取りは、夫婦と親子の絆をより強くするものなのかもしれませんね。(編集Y)

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