vol.59
2004.3.11

洗面ボウル・蛇口・ドアノブ…、住宅のディテールって意外と気になるもの。そこで今回の都心倶楽部では、「集合住宅、『細部』のグッドデザイン」にフォーカスです! 住宅の細部には、アートと呼べる造形美から意識されないさりげなさまで、多種多様なプロダクツの世界があり、空間に語りかけているのです。さあ、細部の奥の奥まで覗いてみましょう!
集合住宅 細部のグッドデザイン
メイン写真

「GOD is in the details.
(神は細部に宿る)」


 と言ったのは、建築家のミース・ファン・デル・ローエ。20世紀のモダニズムを牽引し、バウハウスの校長も務めた彼は、床に使う大理石の模様に執着し、目の色を変えて物色したとか。完璧主義で知られるアルネ・ヤコブセンもまた、SASロイヤルホテルの建築にあたり、建物はもちろん、椅子などの家具から照明スイッチに至るまで、すべてを自らでデザインしている。建築家にとって細部とは、決して譲れない大事なエレメントなのだ。

「海外では、ハンドルレバーや水栓金具など建築家がデザインしたものがよくあります」と、リビングデザインセンターOZONE情報バンクの三村信幸さん(カタログ&パーツライブラリー担当)。

日本では、住宅設備のデザインはメーカーのプロダクトデザイナーがするものだ。どちらがどうというのではないが、アプローチやこだわり方が違うだろう。


 また、水栓金具をはじめとする設備の規格やモジュールはヨーロッパ共通のことが多く、どこの国のものでも簡単に付け替えられる。

「デザインに優れている理由のひとつだと思います。いつでも取り換えられるから、そのときの気分を大事にできる。遊び心のあるもの、突飛なものでも受け入れられやすいんです」(三村さん)

 世界中の人が集まるホテルはプレゼンテーションに格好の場であり、新製品はまずホテルに持ち込んで採用してもらうのが営業戦略でもあるのだとか。
 日本の場合は残念ながら、規格が日本独自のもの。海外製品を個人輸入してもパーツが合わず、取り付けられないこともある。とはいえ、デザインに対する関心の高さはもう負けていないし、海外製品も実にさまざまなものが手に入る。本誌でいくつか紹介しているが、まだまだたくさんの有名メーカーがひしめいており、もちろん、日本製品にもそれは美しいものがある。

「昨今のトレンドを挙げるなら、直線のシャープなライン、ガラスやアクリルなど透明感のある素材、サテンやヘアライン等々のツヤ消し仕上げなどでしょうか」

 空間を構成しているのは、モノである。そして、モノのないところでは、人は自分が分からなくなるという。モノにぶつかり、触れるから、自分という肉体を実体として感じられるという理屈だ。
 私たちは日常で、モノを道具として使って支配しているかのようだけれど、実はその逆もまた真なりで、私たちの行動がモノに規定されている面もある。洗面ボウルが浅いか深いか、ドアが内開きか外開きで、行動パターンは変わるだろう。そんなことが積もり積もって、住む人の生活習慣をつくっている。
 そこまで思いを巡らせて、再び住宅設備の細部を眺めると、また面白い。

取材協力/リビング・デザインセンター OZONE情報バンク TEL:03-5322-6500

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細部にこそ、そこに住む人の美学の表れるのかもしれません。さて、来週の都心倶楽部は都心カーライフの最新事情にフォーカス! 都心でクルマを持つとき、必ずといっていいほどぶつかるのが、駐車場問題。その最新事情はどうなっているのでしょう? さらには、クルマを持たないという選択肢についても調べてみました。クルマがなくても満喫できるカーライフはあるのです。お楽しみに〜
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TOKYO CAR LIFE  愛する街と、クルマと、家と。

・マニアな視点で選ぶTOKYOドライブルート
・東京トホトホ紀行番外編 街とクルマの考現学
・識者インタビュー 徳大寺有恒
・洗面ボウル、シャワーヘッド、ドアノブ… 集合住宅、「細部」のグッドデザイン
・賃貸だからできるクオリティ・オブ・ライフ vol.7
・東京で待ち合わせ 第2回 崔洋一×南果歩 番町
・気鋭建築家インタビュー 遠藤政樹/小泉雅生
・「東京の空の下」 角田光代 ほか
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 取材こぼれ話
 オープンカー派の徳大寺さんならでは!
 クルマといえばこの人! ということで取材をお願いした徳大寺有恒さん。昨今のクルマ事情から徳大寺さんのプライベートまで話が及び、なんと予定していた取材時間を1時間オーバー。というワケで、本誌には掲載できなかった話をここでいくつか。本誌記事にあるように、徳大寺さん自身の現在の愛車はレンジローバーにジャガー。ふだんの移動はもちろん。奥さんとの旅行にも大活躍しているそうである。新車の発表会などで世界を飛び回る徳大寺さんだが、旅行はもっぱら国内派。「もっと自分が生まれた日本を知ろうと思って」というのがその理由だ(ちなみに徳大寺さん、「終のクルマ」は国産車に決めているそう)。お気に入りは東北方面。「走っていても空気が違うんですよ」とのこと。なるほど、オープンカー派の徳大寺さんらしい感想です。「最低でも1年は乗らないとオープンカーの良さはわからない」が徳大寺さんの持論。百聞は一見に如かず。思い切って次のクルマをオープンカーにしてみてはいかがでしょう?
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▼vol.58「クルマは都心ライフに潤いをもたらす TOKYO CAR LIFE」について

品川に住んでいますが、やはり車は不可欠ですね。渋滞はあまり気になりませんし。車移動に慣れると都内って意外と近いんだなと感じます。駐車場も案外見つけやすいのが意外でした。(30代・男性・東京都)

引っ越しを機に維持費の問題からクルマを処分したんですよ。確かにクルマがなくても日常生活に支障はないけど、行動範囲やルートが限定されます。成りゆきで行き先を変更したり、意図せず知らない街に巡りあうような楽しさは、クルマならではですからね。(30代・男性・東京都)

ご投稿どうもありがとうございます。クルマによって、電車や徒歩とはまた違った都心の表情を垣間見ることができて楽しいですね。(編集I)
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