千秋(以下、C):所長! 最近のカフェの椅子はどうしてこんなに堅いんですか? もう耐えられません!
所長(以下、S):松本! これはイームズの“アームシェルチェア・ロッキングベース”だ。耐えるんだ!
C:わ、わかりました。でも所長! イームズってどんな人たちなんですか? 名前はよく聞くけどいまひとつわかりません!
S:うむ、彼らの名前や家具は有名だが、実際どういった人物なのかまではあまり知られていないな。イームズは1940年代、すなわちミッドセンチュリーと呼ばれる時代のアメリカで活躍。大量生産向けの椅子を素材や製法からデザインにいたるまで、すべて自分で開発したスーパーデザイナー夫妻なのだ。
C:夫妻、ということはカップルだったんですね! ステキです!
S:そう、カップルということがまた人気の理由だ。自邸ではレイのテーブルコーディネイトでお茶会を開いたり、集めた雑貨を撮って映画にしたり、モノを作るだけではなくて、生活全体が表現だったのだ。いわば総合的にライフスタイルを提案していたのだな。
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C:2人が写っている写真がいっぱい残ってますね。楽しそう。お洋服もかわいいです!
S:彼らはオシャレで、服のコーディネイトには有名なスタイリストを付けていたらしい。彼らのライフスタイルの提案はファッションまで含まれていたのだ。
C:つまり2人はみんながうらやむような理想のカップルを実演していたんですね!
S:その通り。最近は夫婦でデザインを一緒にやったりするユニットが増えているが、その雛型は彼らが作ったといえる。
C:でも所長! それだけの理由でどうしてこの椅子がこんなに人気があるんですか? 私には普通の椅子に見えます!
S:つまり一般に普及しすぎていて普通に見えるのだ。この<サイドシェルチェア>は、プラスチックの椅子としては元祖も元祖。駅のホームにある椅子なんかはみんなこのイームズの椅子を真似て作られているのだぞ。
C:わかりました所長! 今は普通に見えても作られた当時はアバンギャルドだったのですね。 |