1.遊びに行ったあとなど家族そろって行きやすい
家族そろってでかけるならやっぱり休日。見る順番や件数など、予定も組みやすい。家族全員で行けば、それぞれの視点で希望を確認できるので納得度が高いはず。レジャーや買い物、ランチなどのついでに見学の予定を入れれば、飽きっぽい子どもでもいろいろな場所に行けて喜んでくれそうだ。
2.子どもの好き嫌いがはっきり分かる
子どものために、家族のために家がほしいと思うなら、家族みんなが満足する家を手に入れたいもの。子どもと一緒に家探しをすると、子どもの好き嫌いが分かるのがなによりのメリット。大人だけで想像しても分かりづらい、「子どもにとっても大切な基準」で家探しをすることができるのだ。
3.純粋な着眼点で思わぬ長所に気づくことも
間取りや仕様、キッチンの使い勝手などの良しあしは大人だけで見学しても確認できる。でも子どもと一緒に見学に行くことで、例えば子どもの頭の高さに突起物がないかとか、階段の段差の高さやドアノブの高さ、リビングの走り回りやすさなど、”子どもの住み心地”をチェックできるのだ。
「親子一緒に家探し」をすることは育児や教育的にもメリットはあるのか。「子育てにやさしい住まい」の認定事業を行う、ミキハウス子育て総研の藤田さんに話を聞いた。
ミキハウス子育て総研代表取締役社長 藤田洋さん
子育てファミリーにとって住みやすい住宅の普及をめざし、2000年に会社を設立。これまでに約130件、7000戸の住宅を認定してきた
子育てや親子関係にとって”住まい”は大切な要素です。特に子どもが小さいときは親子で家の中で過ごす時間が長いので、住まい選びも育児や教育のひとつとしてとらえてほしいですね。
家探しをするときにせっかく子どもを連れて行っても、販売員に預けて自分たちだけで見学するケースが多いでしょう。大人の視点だけだと部屋数やデザイン、設備といった機能面にばかり目を奪われがちなものです。
でも子どもと一緒に家を見学すれば、子どもがその家のどこを気に入るかが分かります。また、親と子のリビングでの居場所も把握できるでしょう。目が届きやすいか、子どもがどこにいることが多いのか、気配が感じられるかといったことを確認できます。
住まいの安全性を確認できる点も重要です。部屋にとがった角がなければ走り回っても安心だし、階段の高さやコンセントの差し込み口の位置なども気がつきやすいでしょう。
子育てのしやすい家は、育児のストレスも軽減できます。例えば冷蔵庫置き場がキッチンとリビングの間にあると、天ぷらを揚げている最中にジュースを取りにきた子どもとぶつかる危険が減ります。ママが子どもをしかる回数が減り、笑顔が増えるでしょう。
親子一緒に家探しをするときは、家の中だけでなく、周辺も一緒に散歩してみてください。学校や公園がどこにあるか、同じ年ごろの子どもはいるか、子どもがその街を好きになれそうか、などが確認できます。危険な場所や歩道の状態、通学路の安全が確保されているかどうかといったことも、子どもの目線でチェックできるでしょう。
もちろん、親子そろっての家探しは子どもの情操教育にも好ましい影響があるはずです。小さいころに過ごす住まいは子どもにとっての原風景となるので、家を自分で選んだ感覚や愛着感は後々まで心に残ると思います。