■ 満足度は何点ですか?
買い替えは売却と購入を同時に進行せざるを得ないので、大変。しかし、どんなに大変でも、多くの人が「買い替えてよかった」と感じている。満足度の平均は84点。90点以上の高得点を付けている人が半数弱もいる。
「部屋が増えて心のゆとりが生まれた」(34歳/女性)、「親の近くに引越して、いろいろ協力し合えるように」(42歳/男性)、「一戸建てにしたから、子どもが走り回っても怒らなくていいのがうれしい」(42歳/女性)など、前の住まいのままで我慢するよりも、新居で理想により近い暮らし方を実現している様子が分かる。
1位 | もっと広い家に住みたかったから | 35.2% |
---|---|---|
2位 | 家が狭いなどの問題があったから | 18.7% |
3位 | もっと生活に便利なところに住みたかったから | 17.2% |
4位 | 家が老朽化したから | 15.3% |
5位 | もっと新しい家に住みたかったから | 13.1% |
■ 買い替えを決めたきっかけは? (複数回答)
買い替えを思い立つきっかけは、「部屋が狭くなって」「もっと広い家が必要になったこと」が圧倒的。子どもの誕生、下の子が生まれた、子どもが大きくなったなど、家族構成の変化で、今のままの家では不都合が生じたからだろう。
一方、「金利が低い」「物件価格が安い」「税制が有利」など市況の変化を挙げる人は少数派。子どもの年齢は小学生のころが最も多い。これは買い替え後の現在の年齢なので、実際には「転校させたくないので、小学校に入学する前に引越そうと思った」(36歳女性)のように、小学校入学がひとつのタイミングのようだ。
次に多いのは「子どもが社会人」の世帯。子どもが独立し、広い家よりも便利な家を求めて買い替えるリタイア層が多いことが分かる。
■ 前の家は何年住みましたか?
アンケートによると、4割以上の人が、元の家に住んで10年未満で買い替えていることが分かる。10年もたてば、子どもも成長し、1人が2人となり、家族構成は大きく変化する。
「子どもが増えて個室を与えるのに部屋数が足りない」(37歳/男性)、「子どもが成長し、物が増え、手狭に」(39歳/女性)など、待ったなしの状況になるからだろう。もちろん広さだけではない。「子どもが電車通学のため、便利な場所に住みたかった」(46歳/女性)、「親が高齢になり、近くに住む必要がでてきた」(60歳/女性)など、立地面で必要性も大きい。
また東日本大震災を受け、「今まで住んでいた家の耐震性に問題があり、免震の新築マンションにした」 (65歳/男性)という声も多かった。
■ どの種別に買い替えましたか?
買い替えのタイプを種別ごとに大きく分けると
1.マンション→マンション
2.マンション→一戸建て
3.一戸建て→一戸建て
4.一戸建て→マンション
の4タイプ。前者3つが、それぞれ3割前後になっている。
同居している子どもの年齢を比較すると、マンションからマンションに買い替えたのは子どもが未就学児、マンションから一戸建ては小学生、一戸建てからマンションは社会人、一戸建てから一戸建ては小学生と社会人が多いことが分かる。
家選びの背景は微妙に違うようだ。それぞれの特色を買い替えの参考にしてみよう。
※一戸建ては注文住宅を含む
■ 子どもの年齢による買い替えタイプは?
1位 | もっと広い家に住みたかったから | 35.2% |
---|---|---|
2位 | 家が狭いなどの問題があったから | 18.7% |
3位 | もっと生活に便利なところに住みたかったから | 17.2% |
4位 | 家が老朽化したから | 15.3% |
5位 | もっと新しい家に住みたかったから | 13.1% |
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
マンションからマンションに買い替えた人は、もともとマンションならではの利便性の高い立地、セキュリティなどにメリットを感じている人で、子どもの成長とともにより広いタイプに買い替えているようだ。
面白いのは部屋数は大きく変わっていないことだ。一部屋あたりの面積を増やし、ゆとりのある間取りを求める傾向が読み取れる。
平均値でみると、広さよりも購入価格のほうが大きく増加しているのは、利便性と広さの両方を求めているからで、重視項目でも「広さ・間取り」と、「最寄駅からの時間」「通勤・通学の利便性」の両方を挙げている。また最新設備や構造など、新築マンションならではのメリットをあげる人も多い。
1位 | もっと広い家に住みたかったから | 48.5% |
---|---|---|
2位 | 一戸建てに住み替えたかったから | 36.4% |
3位 | 家が狭いなどの問題があったから | 33.3% |
4位 | 子どものために環境のいいところに住みたかったから | 17.2% |
5位 | 金利が低く買い時だと思ったから | 415.2% |
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
子どもの成長とともに、「子どものために」一戸建てに買い替えるケースで、広さも部屋数も価格も増えている。
最初、夫婦ふたり暮らしや子どもが小さいうちは利便性の高いマンションに住み、次に、広さや環境を重視して一戸建てに買い替える、いわば”買い替えの王道”だ。
理由に「一戸建てに買い替えたかったから」を挙げている人が多いのは、子どもが成長すると、広さや部屋数だけでなく、「広い家で子どもを遊ばせたい」「子どもの足音などで近所に気を使わなくてもよい」など、”子育てするなら一戸建てがのぞましい”と考えている家族が多いからだろう。
1位 | もっと広い家に住みたかったから | 44.3% |
---|---|---|
2位 | 家が老朽化したから | 29.1% |
3位 | 家が狭いなどの問題があったから | 20.3% |
4位 | もっと新しい家に住みたかったから | 19.0% |
5位 | もっと生活に便利なところに住みたかったから | 15.2% |
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
一戸建てから一戸建てを選ぶ人も、より「広くする」「新しくする」がきっかけのようだ。老朽化というのが上位に来ているのがこのパターンの特徴だ。
もともとマイホームといえば一戸建てと考えている人が多く、都市圏以外はマンション自体が少ない事情もあるだろう。
また買い替え理由は「前の家が老朽化したから」「新しい家に住みたい」を理由に挙げている人が多く、重視項目で「利便性」や「最寄駅からの時間」をあまり重視していないのが分かる。「二世帯住宅」や「親をひきとるため」といった理由も少なくない。
1位 | もっと駅に近いところに住みたかったから | 35.6% |
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2位 | もっと生活に便利なところに住みたかったから | 24.4% |
2位 | 子どもが独立して夫婦二人になったから | 24.4% |
4位 | バリアフリーなど老後の安全性を考えた住まいに移りたかったから | 19.0% |
5位 | もっと通勤に便利なところに住みたかったから | 15.2% |
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
ほかの買い替え層と全く違うのが、一戸建てからマンションに買い替えたタイプ。狭くなり、部屋数も減り、価格も下がっている。
買い替え理由からも、「子どもが独立した後のシニア夫婦」が多いことが推測できる。部屋数や広さに比べて価格が下がっていない割合が高いのは、利便性を重視しているからだろう。
夫婦ふたり暮らしになると、広さよりも、駅から近いことや、どこへ行くにも便利な駅であることが重要視されている。さらに、マンション暮らしのほうが、メンテナンスの手間がなく、階段の上り下りがないので、老後は快適だ。
また「子ども世帯の近くに暮らしたかった」という理由の場合もある。
1位 | 手放す家の対処について | 21.6% |
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2位 | ローンの返済 | 18.7% |
3位 | 住宅ローンが組めるか | 12.9% |
4位 | ご近所付き合い | 8.7% |
5位 | 毎月の生活費の影響 | 8.3% |
■ 買い替えで不安だったことは?(複数回答)
もちろん買い替えには不安はつきもの。「前の家が売れないと、買い替えできないので心配だった」(34歳/女性)、「新たにまたローンを組むことになるので負担感が大きい」(38歳/男性)など、お金面の不安は大きいようだ。
また購入と売却のタイミングも難しく、「売却してから新居が完成するまで、賃貸で仮住まいをしたので面倒だった」(46歳/女性)という問題も。確かに買い替えは、「売る」と「買う」の両方を行うので、大変なことも多いのは事実だ。
ただし「その不安は解消された?」の質問には「93%」の人が「解消した」と答えている。
では、どうやって不安を解消していったのだろう。その詳細を聞いたところ、多かったのが「信頼できる不動産会社と出会う」「自分で調べて考える」、そして「最後は思い切り」の3つ。
売却と購入を同時に行うので、どうしても不動産会社の力量が問われるのも事実。できれば最初は1社に絞りこまず、数社に査定を依頼し、その中から信頼できる営業担当者を選ぼう。もちろん、自分で調べることも忘れずに。「できる限り必要な情報収集と分析、住宅の知識を自分でも身につけたほうがいい」(46歳/男性)など、不動産会社任せにするのも禁物だ。
そして最後は思い切り。「買い替えたいと思った時に行動を起こさないと一生買い替えは無理」(37歳/男性)、「住みにくい家にいるとそれだけでストレス。思い切って買い替えたほうがいい」(50歳/女性)など、最後は勢いも大切なようだ。
以下、買い替えした人からのアドバイスを参考にしよう。
■ 前の家を売却する際にローンの残債はありましたか?
買い替えを成功させるには条件がある。ひとつは「ローンの残債」。
アンケートによると、なんと、買い替えした人の半数がすでにローンを払い終えている。もともと頭金が多い、繰り上げ返済でローンをどんどん返している人が買い替えを成功させているのだ。
しかしこのデータは、買い替えに関しての考えの違いでもあるのだ。つまり、「残債があった」との回答には短期間での売却、また「残債はない」には長期間住んでいることによる老朽化による売却が一定数含まれている。
なかには「ずっと共働きだったので、どんどん繰り上げ返済し、10年で完済。マンションを売ったお金を頭金にできたので、新居のローンもそんなに大変じゃないです」(41歳/女性)というツワモノもいる。ローンがなければ、もとの家を売却したお金の大部分を頭金にまわせ、新居の資金計画がぐっと楽になる。
また「もともと安い中古マンションだったので、そんなにローンを組んでいなかった」(32歳/女性)というケースも。逆にローンの残債が多く、売却資金を充ててもローンが残る場合、前の家と新居のローンを2重に支払うことになるので要注意だ。
■ 前の家のローン残債は何で支払いましたのか?
もちろん前の家のローンが残っていても大丈夫。7割の人が売却価格でローン返済に充てている。さらに5割の人が、ローン残債に充てた残りのお金を新居の頭金にまわしている。「新居購入で預貯金を使い果たしたが、前の家が意外に高く売れたので問題なかった」(34歳/女性)。そのためにもなるべくもとの家が高く売れることが重要だ。
とはいうものの、「いずれ売ることも考えて、古いけれど都心の人気のある街のマンションを購入していた」(39歳/女性)、「ちょうど価格相場が安かったときに購入したマンションだったので、購入時とほぼ同じ価格で売れた」(38歳/女性)など、成功のポイントは物件の個別性が高い
■ 買い替えた家の頭金は何で支払いましたか?
まずは不動産会社で査定を頼んでみては?もちろん 「相場価格より1割位値下げは覚悟していたほうがいい」(68歳/男性)という声もあるが、「意外と損をせずマンションが売却できた。最初から損だろうとあきらめずに不動産会社に勇気を出して足を運んでみる価値ありますね」(33歳/女性)というケースもある。いくらで売れるのか目安が分かれば、買い替えがぐっと現実的になるかもしれない。
買い替え時期は、10年未満が4割以上で意外と早い
買い替えの成功条件は、ローンの残債を少なくすること
不安解消のためには最初は数社に査定依頼をして、信頼できる不動産会社を見つけよう
調査概要
【調査実施期間】 2011年08月19日(金) ~ 2011年08月20日(土)
【調査方法】 インターネット(マクロミル調査)
【調査対象者】
・2006年以降に自らの居住目的で住宅を買い替え購入した人
・関東1都3県、関西2府2県に住む、20歳から70歳代の結婚している男女
・元持ち家で2回目または3回目の購入
【有効回答数】 関東エリア・関西エリア 合計421名
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