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昨日まで降り続いていた雨も上がり、暖かい日差しが降り注ぐどろんこ保育園の一室で、理事長の安永愛香さんに、園が目指す“にんげん力”について聞いた。「保育に携わって10年、子どもたちに人生に立ち向かう意欲や気持ちを育てるにはどうすればいいか、ということをひたすら考え続けてきました。そして辿り着いたのが、体験から学ぶ保育です」。
「子どもたちに人生から逃げたりせず立ち向かうチカラ、自然の中で得られる“汚い”や“痛い”体験から命の重みを自ら認識するチカラをつける保育をしていきたい」。

安永さんは当時、自分の子どもを2歳まで民間保育園に預けて、会社員として働いていた。仕事で夜遅くなると、子どもたちにビデオを見させ、親のお迎えを待たせる保育園。そんな日々を子どもに送らせていることに親として不安に感じた。
一生を通じて人間形成の基礎が培われる重要な時期に、おもちゃで遊ばせることや、ビデオを見せることのほかに体験させることがあるのでは?
子どもを預かってもらえる保育園が見つかれば、それで安心してしまっていいのか?
子どもを人として強く育てる保育園はないのか?
そんな疑問が沸々とわいてきた。そして、自分で10件ほど保育園を見て回るが、疑問に答えてくれる施設が見つからなかった。自分が親の立場から預けたくなる保育園がないのなら、自分でつくるしかない、そんな想いからどろんこ保育園が生まれた。

どろんこ保育園の園庭に入ると、まず目に入ってくるのが、子どもたちがどろんこになって遊べる山のように盛り上がった凸凹した園庭と、「メエー、メエー」というヤギの声。園児の一人が、ヤギの名前を「サツキっていうんだよ」と教えてくれた。凸凹の園庭をサツキは駆け抜け、子どもたちはサツキを追いかけまわす。ヤギも、子どもたちの大切な仲間なのである。どろんこ保育園ではヤギの飼育を通じて、子どもの“うれしい”“悲しい”という気持ちを育てたいという。安永さんは、「ヤギを通して、生き物の生と死を体験し、命の重みを感じてほしい」と話してくれた。
どろんこ保育園は、池袋から東武東上線で17分(急行利用)の朝霞台駅にある。都心に近いのにもかかわらず緑の多い埼玉だからこそ、子どものどろんこ遊びや、小川でのザリガニ捕り、ヤギの飼育が実現しやすいのかもしれないが、郊外に住まないと子どもに同じような体験をさせてあげられないのかと聞くと、「都心の子ども、ビル街に勤めている親御さんのお子さんであっても、同じ体験ができる仕組みをつくっていきたい」という答えが返ってきた。安永さんの視線は、一歩先をゆく。ビル街の真ん中にどろんこ保育園が誕生する日も近いかもしれない。

次回、どろんこになって遊ぶ子どもたちをご紹介!
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