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- ●所在地：神奈川県川崎市
- ●築年数：築9年
- ●アクセス：JR南武線「武蔵新城」駅から徒歩14分
- ●面積：27m2
- ●間取り：1K
- ●家賃：7万3000円（管理費込み）
- ●入居時期：2015年2月
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入居者は30代の女性会社員Kさん。転勤族だというKさんは、12年間に8回も引越しを繰り返しているそう。それもあって、これまでは部屋に自分のこだわりを持つこともなく、家具も新卒のときに買ったものをずっと使用してきたそうだ。
「部屋に愛着を持つ間もなく、すぐに引越ししていたので、インテリアや部屋づくりへのこだわりは特にありませんでした」
そんなKさんがこちらの物件に越してきたのは、今から約半年前。これまでとは打って変わり、部屋に合わせてインテリアを購入するなど、部屋作りへの意識が高まったという。なぜ部屋に愛着を持てるようになったのか、紹介していこう。
「部屋に彩りを加えたい」と入居とともに個性的な色遣いが目を惹くソファを購入
ライティングレールには、オレンジ色の落ち着く照明を設置
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更新時期が近付いてきたのを機に、新居を探し始めたKさんだが、もともとDIYやカスタマイズにはまったく特別な興味がなかったという。そんなとき、次に住みたいと考えている駅周辺を歩いていて、ふらっと入った不動産会社で紹介されたいくつかの物件のなかで、自分好みの内装にできて、しかも"大家さんと一緒にDIYでリノベーションを手掛ける"というコンセプトの物件に目が止まった。
「最初は、駅チカで築浅、バス・トイレ別という条件で探していたんですけど、紹介された物件のなかにピンとくる物件がなかったんです。いいなと思っても家賃が高くて決めかねていたところに紹介されたのが、このリノベーション可能な物件でした。物件自体というよりも、"大家さんと共同でリノベーションして部屋をつくり上げていく"ということに強く惹かれましたが、私は初心者なので自分一人では不安だけれども、大家さんとプロの職人（リフォーム会社）が教えてくれながら一緒につくっていくということだったので、それならチャレンジしてみたい！と思い、この物件に決めました」
入居を申し込むと、早速どのような部屋にカスタマイズしていくかを、大家さんとリフォーム会社の担当者を交えて打ち合わせをスタート。大家さん自ら、物件の内装の修繕工事を手掛けることが多いということで、実はDIYはお手の物。「カフェっぽい部屋にしたい」というKさんの希望に合わせて、大家さんがアドバイスしてくれたとか。
「大家さんと話をするなかで、カフェっぽくするなら塗り壁がいいんじゃないかとか、床はヘリンボーンという組み方にしたらどうかとか、自分一人じゃ思いつかなかったことを提案してもらうことで、私のなかで部屋作りへのこだわりが芽生え、当初の予定以上に打ち合わせに時間を掛けていただいてしまいました。その分、『こんなことまでできるんだ！』というワクワク感と、部屋を作っていく楽しさが膨らんでいきました」
約2カ月もの間、隔週での打ち合わせを重ね、ようやく部屋の完成イメージが固まったそう。ちなみに、「壁紙の張り替え」「建具の塗装」「フロアタイルの張り替え」「棚の設置」の費用は、大家さんが負担してくれるというのもうれしいかぎり。
そしていよいよDIY当日。プロの塗装屋さんがペンキの塗り方などを丁寧に伝授（写真提供：セシーズイシイ）
手筋がいいと褒められたというKさん。慣れてくるとだんだんと楽しくなってきたという
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こうして、大家さんのアドバイスと塗装職人さんの指導によって部屋を完成させたKさん。出来栄えには大満足だという。
「DIYは初めての経験でしたが面倒くさいとは思わず、逆にやる前からワクワクしていました。私が当日体験させてもらったDIYは、ローラーを使った建具やキッチン扉のペンキ塗り、それから壁一面の色の調合とコテを使った壁塗りを少々という感じでした。想像していた通り面白かったですね。とはいえ、壁紙やフロアタイルの張り替えと壁塗装の仕上げはプロの職人さんが担当してくださるとのことだったので、その安心感は大きかったです。大家さんもずっと同席してくれていたので、気になることがあったらその都度相談したりしながらスムーズに進めることができました。全部一人でやるとなると、ここまでのことはできなかったと思います」
初めての体験だけに不安も多かったというKさんですが、親身に相談に乗ってくれる大家さんと経験豊富なプロの職人さんのサポートで、トータル9時間あまりのDIYを満喫できたそう。
3600色以上のバリエーションのなかから選んだレッドを自分の手で念入りに塗装（写真提供：セシーズイシイ）
（左）Before 賃貸物件ではおなじみの白ベースのキッチン（写真提供：セシーズイシイ）／ （右） After 白い扉部分を赤に塗り替えることでモダンな印象に
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間取りに合わせてソファやベッド、そしてテレビ台を置く位置を先に決定し、カスタマイズする部分を決めていったという。一番こだわったのは、ソファの正面のテレビ台を置く側の壁の色だそう。
「部屋でくつろぐときはソファに座りながら、読書をしたり、テレビを観ている時間が多くなると思うので、この壁の色は変えたいな思いました。自分の好みの色というより、雑誌で素敵だなと思った淡いグレーを選んでみました。冒険というよりはちょっと変化をつけたいという感じでしたね」
さらに、テレビ台の上の壁には木棚を設置。大家さんから「かっこいいのがあるよ」と薦められた廃材をチョイスするなど、利便性だけでなく「カフェっぽい空間にしたい」という意向も満たしている。
「最初は違う木材を考えていたのですが、色褪せた風合いに一目惚れして決めました」
DIYを通して部屋づくりへのこだわりが芽生え、より満足がいく空間に仕上げるためにインテリアも新調したという。
「今回、大家さんに手伝ってもらいながら初めてのカスタマイズを経験して、今まで持ったことがなかった部屋に対する愛着を感じています。家具も部屋に合うものを置きたいと思い、12年間ずっと使ってきた家具を全部捨てて新しく買いそろえました。家具もインテリアも"シンプルで当たり障りないもの"という観点で選んでいたのですが、この部屋に住み始めてから考え方が変化しました。これからも転勤することがあると思うのですが、この部屋にできる限り長く住みたいと思っています」
もし今後引越すことがあっても、大家さんやプロの職人と共同でカスタマイズができる部屋を選びたいと話してくれた。
Kさん自ら調合したグレーの塗料を左官職人さんにアドバイスしてもらいながらコテで塗っていく
最後は左官職人さんに仕上げてもらい完成。優しい色合いのカラーによりシンプルな壁面に個性が現れた。棚には観葉植物や愛読書をディスプレイ
- 不動産会社からのメッセージ
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株式会社南荘石井事務所
石井秀和さん
カスタマイズの打ち合わせを通して
入居者との距離が近いオーナーを目指す
現在、築年数を問わずすべての物件で間取り変更を伴わない範囲で改装ができるようにしており、同時に入居者さんと一緒にカスタマイズができるサービスも展開しています。なぜそこまでするのか聞かれることも多いですが、背景にはオーナーとして"入居者さんに部屋へ愛着を持って欲しい"という気持ちと、"オーナーと入居者さんとが直接関わりを持つきっかけが欲しいという想いがあります。
カスタマイズのサービスを始めた当初は、カスタマイズできる内容をあらかじめ決めてしまい、メニュー化しておこうかと考えていたのですが、それだと入居者さんとアイデアを自由に交換することができないので、打ち合わせが楽しくなくなってしまうんですよね。こちらからも「こんな床材どうですか？」とか「そのイメージの部屋ならこんな壁紙がおすすめですよ」とか、そういう提案をしていくことで、入居者さんとの距離も縮まるんじゃないかなと思って、カスタマイズの内容も幅を持たせるようにしています。そんなコミュニケーションを通して、入居者さんに賃貸をカスタマイズすることの面白さを感じてもらいたいですし、何かあったときにも気軽にオーナーに相談してもらえるような関係性を築いていけたらと思っています。
