住宅メーカーの長期保証制度は各社によって異なるが、共通した特徴として、初期保証が「品確法」によって義務づけられた10年間の瑕疵(かし)担保期間よりも長いことが挙げられる。例えば、構造躯体20年、防水性能15年といったように。また、保証期間が終了しても、有償の補修などを行えば、保証を延長することもできる。つまり、30年後も安心して暮らすための、サポート体制が整っているのだ。
構造躯体と雨水の進入を防止する部分に「20年保証制度」を適用。この保証は10年目の無償点検と有償補修を行うことが前提だ。20年後以降も有償の点検・補修を行えば、その後10年間を保証する「ユートラスシステム」がある(積水ハウス)
住宅メーカーが安心な理由のひとつに、住まいの「基本性能が高い」ことが挙げられる。それも、優れた耐震性や耐久性などを実現するために、独自の研究機関を設けて、大規模な研究や実験を行っている会社が多い。もちろん「強さ」だけでなく、高い断熱性や通風性など、快適さも配慮されている。すべては、施主がずっと安心して快適に住み続けるためなのだ。
築25年後のオーナー宅を調査。壁・床の内部は乾燥した良好な状態で断熱材も新築同様の状態だった。これにより高い耐久性が実証された(ミサワホーム)
こちらは実大の振動実験の例。独立行政法人防災科学技術研究所が建設した、世界最大の実大三次元震動破壊実験施設、通称「E-ディフェンス」。ダイワハウスは2006年6月22日(木)~29日(木)の期間、ここで民間企業では初めて、大規模な加震実験を行いました(ダイワハウス)
会社ごとに設定されたアフターサービスも、住宅メーカーの長期保証制度のポイント。一般的に引き渡し後から数年間は担当スタッフが定期点検や家の診断などを行い、20年、30年後も、定期点検や改善補修、リフォームのアドバイスなどを行ってくれる(有償の場合もあり)。また、24時間365日体制の電話相談窓口を設けている住宅メーカーもあるので、いざというときでも安心なのだ。
24時間365日体制のコールセンターを配置し、鍵の盗難や設備の故障などに対応している。メンテナンスやリフォームなどをパッケージ化した「AQ ASSET」サポートサービスもある(ダイワハウス)
アフターサービス専門の窓口「カスタマーズセンター」を設けているので、専任スタッフが定期巡回をしながら、住み始めてからの疑問や問題点、不具合などをチェック・解消してくれるのだ(積水ハウス)
耐久性や耐震性、省エネ性などで一定基準を満たした「長期優良住宅」には、さまざまな特例措置がある。例えば、住宅ローン借入金残高の0.7%がその年の所得税から控除。一般住宅の控除限度額3000万円に対して長期優良認定住宅は5000万円(2023年末まで入居の場合)、最大控除額は455万円。住宅ローン「フラット35S」を適用すれば借り入れ金利が当初5年間、年0.25%引き下げに。